①塙保己一没後200周年とウェブサイト、給付型奨学金創設について②SDGs達成、脱炭素化とゼロカーボンシティ本庄宣言に向けて(2021年第1回定例会・一般質問)

●塙保己一没後200周年とウェブサイト、給付型奨学金創設について

 本年は、本市が誇る埼玉の偉人、世界の偉人たる塙保己一先生の没後200周年の記念すべき年です。記念のロゴマークが選定され、様々な催しが企画されています。今回一般質問で取り上げる塙保己一先生の広報、研究の拠点である塙保己一記念館でも、企画展、特別展等が予定されております。本市の文化財展示施設において、長らく実施されてこなかった企画展について、私は歴史に強い議員として、一般質問等で繰り返しその必要性と開催<リンク>を求めてまいりましたので、非常にうれしく、高く評価をしているところです。

 そこで、1つ目として、塙保己一記念館が200周年を契機として、さらに飛躍するために不可欠な記念館のウェブサイトについて、市ホームページ内に配置されている現状を踏まえつつ、記念館独自のウェブサイトを創設することを私は提案いたしますが、これに対する市の考えを伺います。

 また、皆様周知のとおり、塙保己一先生は江戸時代の国学者として学問を極めた偉人です。近年は、高等学校卒業後の進路として、大学等の上級学校へ進学することが一般的になりつつありますが、貧困の連鎖、すなわち親の所得、あるいは学歴により階層が固定化してしまうことが懸念されております。大学等へ進学せず働く家庭に生まれた子供は、高等学校の卒業後、大学等へ進学した家庭の子供と比較して、意識及び資金等により大学等へ進学しづらい、あるいはできない環境があると実証研究により明らかにされています。大学等へ進学を志す次代を担う若者が、親の所得と自分の力ではどうしようもない資金面について解消できる仕組みとして奨学金制度があり、本市にも本庄市育英資金貸付制度として貸与型の奨学金制度があります。しかしながら、卒業後に返済する貸与型奨学金については、将来返すことができるのか、仕事があるのかと悩み、借りることをためらい、進学を断念する若者が後を絶ちません。

 そこで2つ目として、近年大学等でも導入されている、奨学金を借りた本人に将来返還の義務がない給付型の奨学金を塙保己一没後200周年記念奨学金として、没後200周年記念に当たって創設することを提案いたしますが、これに対する市の考えを伺います。

 3つ目として、2つ目に挙げたような給付型の奨学金を新たに創設することが難しいようであれば、現行の育英資金貸付制度に塙保己一没後200周年記念として、返還免除特例を追加することを提案いたしますが、これに対する市のお考えを伺います。


<答弁>

 塙保己一記念館、以下、記念館と略させていただきますが、記念館のウェブサイトの現状及び独自のウェブサイトを創設することについてご説明いたします。なお、答弁に当たりましては、ホームページと表現をさせていただきます。記念館では、令和3年度の没後200周年の記念事業として、企画展、特別展示、スタンプラリー、子供向けイベントなどを1年を通じて継続的に実施し、没後200周年を盛り上げていきたいと考えております。多くの方に記念館を知っていただき、来館者を増やすためには、ホームページを通じた情報発信は、大変重要であると考えております。

 また、議員ご指摘のとおり、没後200周年を契機としてさらに活動を充実させていくためには、その強化は不可欠なものであり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け思うように外出ができない中、ますます必要性は高まっていると考えております。

 現在記念館では、独自のホームページは設置しておらず、市のホームページ内において文化財展示施設の一つとして掲載し、内容は施設の概要、利用案内、施設の特徴、展示資料の解説と動画として記念館で放映している解説DVD「塙保己一の生涯」の短縮版といった内容となっております。また、文化財保護課では令和3年2月に公式インスタグラムを開設し、本庄早稲田の杜ミュージアム、競進社模範蚕室、記念館の展示内容等についての情報発信を始めております。

 議員ご提案の記念館独自のホームページを創設することは、効果的であると考えます。しかしながら、市のホームページは昨年10月にリニューアル公開したばかりですので、まずは独自のホームページを創設せずに、市のホームページを最大限活用し掲載内容を見直すとともに、インスタグラムの定期更新や、各種メディアへの積極的な情報提供を行うなど、魅力ある情報発信に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 次に、現在教育委員会で行っております奨学金制度についてご説明いたします。教育委員会では、高校、大学等に進学するお子さんの保護者に貸付けを行う入学準備金貸付制度と、高校、大学等に進学する本人に貸付けを行う育英資金貸付制度の2種類がございます。これらの貸付制度は、就学意欲と能力がありながら、経済的な理由により就学困難な方に対して、就学に必要な費用の貸付けを行うことにより教育の機会均等に寄与するとともに、次世代の人材を育成することを目的としております。貸付額でございますが、入学準備金につきましては、高校等は25万円以内、大学等は50万円以内、また育英資金につきましては、高校等は月額1万5,000円以内、大学等は3万円以内となっております。いずれも無利子となっており、貸付けが終了した月の翌月から起算して6か月を経過した後から返済開始となります。

 次に、現在の貸付状況でございますが、入学準備金、育英資金ともに令和2年度の新規貸付者はゼロとなっております。また、育英資金においては、現在在学中で貸付けを行っている対象者は、高校で1名、大学で5名となっております。

 次に、給付型の奨学金制度についてでございますが、現在独立行政法人日本学生支援機構や大学、民間企業等において、給付型の奨学金制度が行われております。これらは、社会に貢献する次世代の人材育成を目的に、就学意欲と能力がありながらも、経済的に困難な学生の支援をすることを目的としております。また、給付型の奨学金制度を行っている自治体があることも把握しているところでございますが、そうした自治体では、篤志家、いわゆる社会奉仕や慈善活動に熱心な方でございますが、こうした方からの寄附金を財源にするなど、確保した財源を基に実施をしていると伺っております。

 議員ご提案の塙保己一没後200周年を記念として、給付型奨学金を創設することについてでございますが、中長期的な視点に立ち、今後の財政状況も踏まえながら、持続可能な仕組みの検討等が必要であると考えております。また、先ほどご紹介いたしました日本学生支援機構や大学、民間企業等において給付型の奨学金制度が行われていることに鑑みましても、本市において給付型の奨学金を創設することは、現状では難しいものと考えておりますが、今後国、県の動向にも注視しながら、先進の実施自治体の事例を研究してまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。

 次に、育英資金貸付制度における返還免除についてご説明いたします。現行の本庄市入学準備金・育英資金貸付条例第15条に基づきまして、返還猶予または免除ができることとされております。この内容としては、災害その他のやむを得ない事情により返済が著しく困難になったと認められるときなどは、給付金の全部もしくは一部の返済を猶予、または免除するという内容でございます。

 議員ご提案の塙保己一没後200周年記念として、返還免除特例を追加することについてでございますが、この貸付制度は教育の機会均等に寄与することを目的としていることから、公平性の観点からも慎重に検討せざるを得ないものと考えております。また、返還免除とすることは、実質的には給付型の奨学金となることから、先ほどご説明いたしました理由から難しいものと考えております。

 このようなことから、教育委員会といたしましては塙保己一没後200周年を契機とした給付型奨学金の創設及び返還免除特例の追加は行う予定はございませんので、ご理解を賜りたいと存じます。


◆再質問◆

 1点目、お答えとしては市のホームページがリニューアルしたばかりなので、そちらで魅力的なページを作っていく、というような話でした。塙保己一記念館のウェブサイトの件については、温故学会の齊藤先生より、私が議員になって間もなくの頃、そもそも何で独立していないのだ、というお声はいただいておりました。私もそのとおりだなと思っていたのですけれども、今回没後200周年ということで、これはいいきっかけなのではないかと思って、今回提案したわけです。

 実は、今回私はこの一般質問に際して、今お隣の深谷市が大河ドラマで非常に盛り上がっておりますので、今日はネクタイとピンバッジを渋沢栄一翁のものをしておりますけれども、やっぱり渋沢栄一がきっかけで、県北に来ていただく方って増えると思うのです。そういう方って、渋沢栄一のことについて知りたいと思ってくるぐらいですから、歴史とか、文化とか、そういうものに興味を持って、来ていただくわけです。

 このような人にとっては、塙保己一先生は、刺さるのではないかな、と私は思っているのです。その一つのきっかけとして、先ほどの答弁にもあったのですけれども、新型コロナウイルスの影響で外出ができないということもありますし、自粛する市民に対して、あるいはせっかく観光客が深谷市まで出てきていただくときに、塙保己一記念館というのがあるのだということを、そもそも知っていただいていないと、来ていただけないわけです。

 塙保己一記念館がある、見たい、と市民、観光に来る方に思っていただく仕掛けとしては、インターネットが最適で、それをきっかけに来ていただくことができるのではないかと思うのです。

 本庄早稲田の杜ミュージアムの独自サイトには、いろいろな設えがあって、展示の室内を見られるよう工夫されており、結構楽しいサイトになってきています。

 独自のウェブサイトが必ず良い、だから作れと、いうことにこだわっているわけではないので、新規に作れないということであれば、今の市のホームページ内の記念館のウェブサイトをもうちょっと充実させるというか、見て楽しいようなものにしていくのが必要ではないかなと思います。本年は、埼玉県県政150周年ということもありますので、次の再質問にも関わりますけれども、必要があれば県も巻き込んで、こういうことができるといいなというふうに私は思って提案しておりますが、ホームページを独立させるか、充実させるか、このことについてのお考えを伺います。

 それから、2点目と3点目、両方一括してなのですけれども、今大学に通う半数の学生は、奨学金を借りている状態です。そのうち、生活保護の世帯から進学したうちのおよそ8割は、奨学金を借りているというデータもあります。

 私自身も、生活保護ではありませんが母子家庭でしたので家庭には資金が潤沢になく、奨学金を借りて進学していまして、奨学金がなければもちろん進学はできなかったわけです。

 先ほどご紹介があった本庄市の育英資金貸付制度、私はそれを本庄市に貸していただいたおかげで大学に進学、卒業することができました。実はこれは、私が本庄市に貢献したいと思う、議員になる一つのきっかけになっているわけです。

 大学生って、私もやってみて分かったのですが、実際すごくお金がかかるのです。資金があまりない学生は、必ずお金の問題がずっとついて回るというか、悩みがあるのです。教科書代とか、パソコン代とか、もちろん学費とか入学金もかかります。加えて、私は通っていましたので、通学費もかかるわけです。本庄から都内まで、これがもう何万円にもなるわけですけれども、通学していますので、単位をたくさん取っていると時間の問題でバイトも長くはできないと、朝は6時ぐらいに出て帰りは21時~22時ぐらいに帰ってくるというような生活でした。

 こういった自らの経験もあって、令和元年の3月定例会で、通学費の貸与補助<リンク>というのをやったらいいのではないかというようなことも申し上げたのですけれども、それもなかなか公平性の観点から難しいというようなご答弁でした。

 自分の意思で、生徒、高校生が、自身が将来稼ぐお金を前借りして進学しようという制度の貸与型の奨学金、これも一つの形態で、私は貸与型が悪いというような話はしておりません。私自身も、奨学金を「借りて」いる、自分で払っているのだ、という思いが強かったので、「元を取らなければ!」と思い、たくさん授業を取ったりとか、ちゃんと授業に通ったりする原動力にもなった、という経験もあります。

 ただ、一方で、私も月々奨学金を返しているのですけれども、返済は結構大変なのです。私は滞ったことはないのですけれども、友人の中には、なかなか払えないので、返還の猶予の申請をしたりとか、あるいは親に立て替えてもらうとか、そういう人もいます。今、コロナによる影響もあって、生徒にとってみれば、本当に大学に行って卒業時に就職できるのだろうかというような心配もあると思います。

 実は、そういう風に先を見据えることができる、あきらめてしまう方が優秀な生徒であることもあるわけです。実際、私の知っている高校生も悩んだあげく、行きたいけれども、やっぱり大学進学は資金と就職にリスクがあるということで、民間企業に就職をしました。

 そういう優秀な、将来本庄市、あるいは日本とか、世界のために働いてくれるような未来のある若者の可能性を、自身の力ではどうしようもない、生まれついた環境や、資金面のことで失わせたくない、というのが私の考えです。

 今、実は日本の若者というのが、1,100万人というふうに統計されています。日本の総人口で割ると、その占める割合が8%なのです。8%ってどれぐらいかというと、先日パートナーシップを入れるという話<リンク>もありましたけれども、セクシュアルマイノリティーの方が人口の8から10%だというような統計があります。

 ということは、現代の若者は、セクシュアルマイノリティーの方々、少数者を保護しなければいけないというような社会的な機運の高まりがありますけれども、同じように十分にマイノリティーになりつつある。だから、社会全体として若者を支えて、未来をつくってあげるような仕掛けが必要なのではないか、こういうことを考えて、ぜひとも給付型の奨学金というのをつくっていただきたいなと思いました。

 もちろん局長の答弁にもあったように財源の問題もあるし、私は篤志家の寄附を募ってみてもいいのかなというふうに思いますけれども、誰でも彼でも給付しろ!と私は思いません。

 条件を課して、本庄市に卒業後10年以上住み続けるとか、あるいは毎年成績証明書を出させて、GPAが3.0か3.5か一定の条件を設定し、課して、ちゃんと勉強している人にはそういう給付するというような仕掛けができれば、財政的に制限がある自治体としてもそこまで無理なことを言っている、制度ではないのかなと。

 GPAをしっかり設定してしまえば、対象者は限定されます。なかなかつくりづらいというお気持ちも分かるのですけれども、ぜひ前向きに未来の若者のために、塙保己一先生のような大学者を、本庄市から再び排出するためにも、こういう給付型の奨学金をぜひ導入していただきたいと思いますけれども、お考えを伺います。


<答弁>

 1点目のホームページの関係でございますけれども、確かにホームページを魅力的なものにというのは本当に必要だと思っております。市の記念館のホームページの充実ということについてでございますけれども、こちらは先ほども申し上げましたとおり、まず市のホームページの充実に取り組んでまいりたいと考えております。具体的には、展示室内の写真、こういったものの充実、解説とか、あと動画の配信等も充実させてまいりたいと考えております。また、記念館を含めました塙保己一に関する情報を見やすく、分かりやすい構成として見直しまして、没後200周年記念事業の周知にも努めてまいりたいと考えております。

 それと、もう一点の奨学金の関係でございますけれども、今若者を支援する仕組みというお話もありましたけれども、新たに返還免除の要件を追加することとか、あとお話のあったGPA、成績に基づいて実施するような新たな給付型奨学金の制度につきましては、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、財源の確保と今後の財政状況も踏まえまして、やはり持続可能な仕組みというものをどうしても検討する必要があるというふうに考えております。多くの方に教育機会の均等を図ることは重要でありまして、就学意欲があるにもかかわらず、経済的な理由によりまして進学を断念することのないように、引き続き教育委員会といたしましても取り組んでまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。


◆再質問◆

 この大項目の最後に、ぜひ市長の所感を聞いてみたいなというふうに思います。昨日の代表質問のご答弁の中でも、市長の10のチャレンジの中に頑張る若者応援というものがあった。

 私が先ほど申し上げたのは、そういう能力がありながらも、自分の力ではどうしようもないような資金面について、頑張る若者をぜひ応援してほしいというような思いがあって今回質問させてもらいましたけれども、いかがお考えかお伺いします。


<答弁>

 内田英亮議員のご質問に私のほうからお答えをさせていただきます。

 議員もこの育英資金等を活用してというお話、やっぱりそういうところで頑張って、多くの方々が自分自身の向学心を持って、そこに応援してくれる人たちがいれば、その人たちのことは忘れないし、また頑張らなければいけないという気持ちになると、私は本当にそのとおりだなと思っております。やっぱり持続可能というのは非常に大事なのです。これまでも給付型の奨学金等を創設した自治体などを見ますと、篤志家であるとか、そういうきっかけがやっぱりあったというのが非常に大きいかな。そういうきっかけをつくっていくということも、また考えていかなければいけないのかなと。方向性としては、本当に頑張る若者を支援する、若者が少ないからこそ、これからの次代を担う若者がしっかり頑張ってもらえるように、あらゆることを考えていかなければいけないという、そういう考えでおりますので、全般的にやはりいろんなところに鑑みながら、若者支援のために何が必要かということは常に考えていこうと、そしてまた実行していこうというふうに考えておりますので、ご理解いただきたいと思います。


●SDGs達成、脱炭素化とゼロカーボンシティ本庄宣言に向けて

 令和2年10月、菅首相は所信演説で、成長戦略の柱に経済と環境の好循環を掲げ、2050年までに温室効果ガスについて排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルと脱炭素社会の実現について表明しました。同時に、ゼロカーボンシティを宣言する自治体の拡大に向けて呼びかけを進め、脱炭素化、防災対策として地域における再エネ導入支援を行っていきたいと述べています。本市としても、環境問題は喫緊の課題であると言えます。市議会としても昨年の3月議会において、気候非常事態宣言に関する決議を行いました。SDGsの達成に向けて、また脱炭素化社会を実現し、持続可能な社会を構築することに率先して寄与する自治体を目指し、以下伺います。

 1つ目として、さいたま市、秩父市、所沢市などに加え、お隣の深谷市も自治体単独でゼロカーボンシティ宣言をしております。本市もいち早くゼロカーボンシティ本庄宣言をすることを提案いたしますが、これに対する市の考えを伺います。

 2つ目として、SDGs達成あるいは脱炭素化社会を実現するためには、具体的な目標設定が必要ですが、本市の総合振興計画後期基本計画、加えて環境基本計画の中期目標以降の目標施策について伺います。

 3つ目として、市内にある再生可能エネルギーについて、高圧、低圧問わず活用していくことが必要であると考えますが、活用の現状とお考えを伺います。

 4つ目として、これからの時代を生きる子供たちに対し、加えて今を生きる現役世代に対して、環境に関する教育を充実させていくことについての今後のお考えを伺います。


<答弁>

 ゼロカーボンシティの宣言についてご説明いたします。ゼロカーボンシティとは、2050年にCO2を実質ゼロにすることを目指す旨を首長自らが、または地方自治体として表明した自治体を環境省がゼロカーボンシティとしているものでございます。今日現在までに全国で320の自治体が宣言を行っており、埼玉県内においても10の自治体が宣言を行っております。

 本市は、これまでも地域の地球温暖化対策の推進のため、市民の皆様や事業者の皆様の省エネルギーや創エネルギーに対する取組の支援を継続的に行ってきております。また、一事業者としても本庄市地球温暖化対策実行計画に基づき、環境マネジメントシステムを運用しながらCO2等温室効果ガスの削減に取り組んでおります。

 ゼロカーボンシティの目的は、本市のこれまでのCO2等温室効果ガス削減に向けての取組の延長線上にあるものであり、また目標には期限の2050年と数値の実質ゼロが明確に設定されていることもありまして、宣言の効果も期待されることから、優先的に取り組むべき課題として認識しております。

 本市は、平成20年に環境に配慮した行政経営に関する包括的な取組を示した本庄市環境宣言を表明しております。ゼロカーボンシティ宣言は、この本庄市環境宣言を補うことができるものと考えられますので、今後の行政経営の柱となるSDGs推進の取組の一つとして、宣言の表明を検討しているところでございます。

 次に、本庄市総合振興計画後期基本計画や本庄市環境基本計画の中間目標以後の目標や施策につきましては、本市が目指す環境に優しい持続可能なまちづくりのためには、ゼロカーボンシティの宣言の有無にかかわらず、脱炭素へ向けた目標や施策を盛り込むことは必要と考えており、SDGsの目的の達成を視野に入れた実効性のある目標と施策の検討を行い、策定に向けた準備を進めていきたいと考えております。

 続きまして、市内の再生可能エネルギーの活用についてでございますが、本市では再生可能エネルギーの活用を図るため、創エネルギーと省エネルギーを市全域において推進し、エネルギーの地産地消の実現に向けた取組を行っております。具体的な取組といたしましては、市民の皆様や事業者の皆様の創エネ、省エネの取組である太陽光発電システムや蓄電システム等の設置に補助金を交付し、支援を行っているところでございます。

 本市は、現在のところ深谷市や秩父市のように自らが事業者となり、新たに電力会社を設立する予定はございませんが、市内の再生可能エネルギーの活用方法につきましては、常に最新の動向を注視しながら情報収集に努めることの必要性を認識しております。本市はこれまでも、現在のSDGsの考え方に通じる持続可能な環境に優しいまちづくりのために様々な取組を行ってきたところでございます。今後につきましても、環境に対する継続的な取組を切れ目なく次世代に引き継いでいく所存でございますので、ご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 私からは、初めに学校教育における環境教育の取組についてご説明いたします。豊かな自然環境を守り、エネルギーの効率的な利用など、環境の負荷が少なく持続可能な社会を構築していくためにも、未来を担う子供たちへの環境教育は、極めて重要な意義があると捉えております。市内公立小中学校におきましては、学校ごとに立てられた環境教育年間指導計画に基づき、社会や理科における教科の学習や総合的な学習の時間などにおいて、環境問題等に関わる学習を行っております。

 総合的な学習の時間の取組の具体例といたしましては、早稲田大学及び本庄早稲田国際リサーチパークとの連携による環境学習がございます。令和2年度につきましては、新型コロナウイルス感染症に伴いまして実施することができませんでしたが、令和元年度は市内8小学校において、河川の水質や水とエネルギー、磁石と電気などについての学習を行ってまいりました。その他の取組といたしましては、毎年環境推進課と連携し、夏と冬に埼玉県及び埼玉県地球温暖化防止活動推進センターが実施しておりますエコライフDAY埼玉に参加いたしまして、二酸化炭素排出量を削減するライフスタイルの定着に向けた取組を行っております。

 次に、社会教育における環境教育の取組についてご説明いたします。公民館では、ごみの減量化や地球温暖化について学ぶ講座や、生ごみの減量化と堆肥化について学ぶ講座を開催しております。どちらも親子での参加ができるため、改めて家族で環境について考える機会になると考えております。市民総合大学のミドルコースでは、埼玉県の協力をいただいて環境コミュニケーションや、早稲田大学大学院の協力により地球温暖化防止に係る講座を開催して、社会教育として環境について学ぶ場を設けております。また、児玉郡市内の小学校5年生と6年生を対象に実施している子ども大学ほんじょうにおきましても、早稲田大学や地元の企業の協力を得て環境への取組について考える講義を実施しております。

 今後も、公民館や市民総合大学などの場において積極的に講座を開催し、環境に関する取組や情報を提供することで、環境教育の充実を図ってまいります。教育委員会といたしましては、引き続き様々な関係機関や企業等との連携を図りながら、持続可能な社会を構築していくための貴重な取組として、環境教育を推進してまいります。


◆再質問◆

 ゼロカーボンシティ本庄宣言について、宣言を検討中、非常に前向きに考えていらっしゃるということで、よかったと思います。こういう取組は、パートナーシップのときもそうだった<リンク>のですけれども、早く導入するということが大きな効果があると思っております。

 令和元年の12月、「両陛下と私たち」という市長のコラムがあるのですけれども、この中で「国際環境、地球環境を考えるとき、日本および世界の前途は厳しいと私は覚悟しております」というふうに述べられております。まさにこのとおりで、非常に地球環境が厳しいのだということが近年盛んに言われております。そのことに、今検討していただいているということでしたので、なるべく早く、できるだけ速やかに宣言していただくように提案いたしますけれども、これに対するお考えを伺います。

 それから、3点目の自治体電力を特につくるつもりはないというようなお話でした。もちろん私も、自治体電力設立ありきということではありません。設立してうまくいっていない電力もあります。ですから、必ず設立しなければいけないということではないのですけれども、今状況が変わったと思われるのが、国による固定価格買取制度が満了する発電設備がどんどん出てきています。太陽光パネルを中心とした再生可能エネルギーの発電設備の固定買取り制度が終わってしまうのです。そうすると、非常に安い単価で売るか、自分の家でためて使うかという2択を迫られることになるのですけれども、そういうものを本庄市として集めて、再生可能エネルギーでつくっていますので、非化石証書を集め、市内の企業に売る、という、そういう仕組みがぜひ本庄市としてできないかな、というような考えが私にあります。

 実は、埼玉県がエネルギーの地産地消の推進に関する協定というのを東京電力エナジーパートナーと結んで、彩の国ふるさと電気というふうに題して、既にこの仕掛けは行っています。小山川の水循環センター内の太陽光発電設備など、再生可能エネルギーで発電した電気を東京電力エナジーパートナーが買い取って、その発電量分を、連携している企業に非化石証書として売って、CO2オフセットするというようなプランです。

 本庄市として電力会社をつくらなくとも、埼玉県と連携して、このスキームを使い、本庄市でぜひやってもらえないか、検討していただきたい。低圧の、一般的な住宅の屋根に乗っている余剰太陽光、全量太陽光もあれば、高圧の野立ての全量買取りの太陽光もあります。本庄市内にあるこれらの再生可能エネルギーの発電量を一括して集めると、かなりの量になると思います。

 市内の企業にオフセットしてもらう、CO2オフセットしてもらうということが、カーボンニュートラルシティを宣言するに当たっては、一つの必要な仕掛けではないかなというふうに思うのです。自治体電力はつくらないということでありますので、ぜひ埼玉県と連携して、そういうプランを本庄市の企業に向けて提供できないかについて、お考えをお伺いします。

 それから4点目、先ほど早稲田大学とかリサーチパークと組んで環境の教育をやっているということで、なかなか充実していると思います。本市には早稲田大学の施設がありますので、早稲田大学の力を借りて様々な専門的で高度な講座ができているのだなというふうに思います。先ほど令和元年は8つの学校でできたというような話がありましたけれども、これからは、力を借りる団体を増やし、講師の幅と内容を広げていくことが重要です。

 先ほどの局長の答弁の最後のほうにも、企業等と連携してというような話もありましたので、やっぱりその道のプロ、企業の専門家に、エネルギーの教育とかエコの教育とか、例えば停電したときにはどうしようとか、そういうものを親子で体験する講座みたいなものをやっているところもあるのです。

 電気のエネルギーを使ってお湯を沸かそうとか、お茶を入れようとか、そういうものを通して、やっぱり電気ってふだん気づかないけれども、結構大事なエネルギーなのだなというふうに保護者も体験してもらうと、児童生徒ももちろん体験してもらうような講座も、企業と連携すればできますよね。学校で行う講座の間口を広げるというか、いろんな方に、いろいろな民間企業とパートナーシップを取ってやっていくことが重要だと思いますけれども、これについてのお考えを伺います。


<答弁>

 ゼロカーボンシティ宣言についてでございますが、宣言につきましては本市だけではなく、他の地域でも広がっていることでございます。もう300を超えているということでございますので、脱炭素化への効果がより高まるものと考えております。本市におきましても、こういった流れをくみまして、新年度の早い時期でのタイミングで宣言をしてまいりたいというふうに考えております。

 続きまして、FIT法、確かに埼玉県でそのような取組をやっているということは存じておりましたが、繰り返しになりますが、本市ではなかなかつくるのは難しい中で、そういう埼玉県の取組等を参考に取り組んでまいりたいと。確かに実際にFIT法、余剰電力も買取り価格がなくなってしまってどうしようと悩んでいる方も多くいらっしゃるという話をお伺いしていますので、検討してまいりたいと思います。

 子ども大学ほんじょうでは地元の企業と連携をしているという説明をさせていただいたところですけれども、議員のほうから、例えばということで電気の関係のプロとか、そういったこともやっているということで、門戸を広げたらどうかというお話でございますけれども、確かに民間企業の中には、エネルギーとかエコについて先進的な取組をしているという企業もございますので、今後そういった企業との連携につきましても研究を進めていきたいと考えております。