①部や課を横断した取組を推進していくことについて②中学校「謎ルール・ブラック校則」の現状と改善について(2021年第4回定例会)

●部や課を横断した取組を推進していくことについて

 様々な業務を担う大きな組織では、効率的に業務を遂行するべく、業務をその内容によって割り振り、部や課など所管する部署をつくって担当者を配置します。部や課内で業務を遂行していくことは、その分野において専門的な知識を身につけることができ、また会議も仕事を共にしている上司や仲間とするので効率的です。一方、業務の担当以外の業務が振り割られた場合や担当が明確ではない業務が発生した場合に、問題を引き起こすことが実務上では多々あります。また、タコつぼ化してしまい、全体最適や市民のニーズよりも、所属の部や課の範囲で事業を完結させてしまうという傾向があります。

 市役所に求められるニーズは、多様化、複雑化し、専門性も求められるようになりました。一方で、現在職員の数は、業務をこなすために最低限の、あるいはそれを下回る人数であると推察されます。市役所は、市や市民全体を見て事業を考え、実施することが、特にこれからの時代においては必要です。人口が減少し、少子高齢化が進む中、限られた財源で市の魅力を高めるためには、これまでの仕事のやり方から大きく進化して、新しい仕事のやり方をしなければならないと思います。民間の企業では、随分前からこの取組、すなわち部や課といった部門を越えてプロジェクトチームを組織し、横断的な組織で業務について考え、実行するといった取組を進めており、成果も多数出ております。

 そこで、今回は本市の限られたリソースを最大限に生かして、魅力あふれるまちづくりを推進していくために、所属する部や課にとらわれない部門を横断するプロジェクトや、横串を刺す組織や会議を積極的に取り入れていく取組をさらに推進していくべきだという観点から、以下伺ってまいります。

 1つ目として、庁内における部門横断的な取組について代表的な例を挙げていただき、その成果も含めて現状をお聞かせください。

 2つ目として、管理職ではない、特に新しいアイデアをたくさん持つ若手職員が積極的に部門横断的な取組を提案、あるいは取り組むことができる環境の基礎となる制度、すなわち人事評価の指標の中に部門横断的な取組に対する評価があるか伺います。

 3つ目として、今後の部門横断的なプロジェクト等の推進についての市の考えをお聞かせください。


<答弁>

 1つ、庁内における部門横断的な取組の現状について及び今後の部門横断的なプロジェクト等の推進について、この2点についてご説明を申し上げます。まずは、庁内における部門横断的な取組の現状についてご説明をいたします。議員ご指摘のとおり、人口減少や少子高齢化が進む中、市に求められるニーズは多様化、専門化しております。限られた財源及び職員で、市民サービスの質を維持しながら効率的な行政経営を進めていくことは、市にとって喫緊の課題であると認識をしてございます。市では、新型コロナウイルス感染症への対応など、行政を取り巻く環境が急速かつ大きく変化する中、複雑化、多様化する行政需要を踏まえ、職員が一丸となって市民サービスの向上に努めているところでございます。一方、既存の組織や事務分掌による業務だけでの実施では解決が難しい、対応してもらえる部署が分からないなど、いわゆる縦割りの弊害があることも認識をしてございます。このような様々な行政課題に対して、適正かつ能率的に業務を実施できるよう、時代の要請に合わせて組織や事務分掌を適宜見直しているところではございますが、機動的に取組を進めるためには、議員がご指摘されるような部門横断的な取組が効果的であると考えてございます。

 その方法といたしましては、様々なやり方があり、これまでも課題や状況に応じて、その取組を行ってきたところでございます。これまでの取組につきまして主な例をご説明いたします。まず、政策を推進する観点からの取組として、本庄市総合振興計画前期基本計画、現在の計画でございますが、こちらにおきまして政策大綱別の各分野とは別に、政策連携プランを設けております。この政策連携プランは、単独の施策の推進だけでは解決することが難しい課題に対し、個々の施策を分野にとらわれず抽出し、それぞれの施策を連携させながら分野横断的に取り組んでいくものでございます。この政策連携プランは、政策大綱別の各分野に横串を入れる取組として5つのプランがございますが、1つが本庄版ネウボラプラン、2つ目、まちなか再生プラン、3つ目、本庄ブランド確立プラン、4つ目が健康・安全・安心プラン、そして5つ目が塙保己一プラン、以上の5つのプランを掲げております。取組に当たっては、関連する部局が連携をして、効率的、効果的な推進を図るものでございます。一例ですが、本庄版ネウボラプランでご説明をいたしますと、妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援により、本市の未来を開く子供を安心して産み育てることができるまちを目指すものでございます。妊娠期の健診や相談の充実から、乳幼児期における子育ての経済的負担の軽減、児童期における多様な学習機会の提供など、担当する部署が複数にわたる様々な施策を連携しながら行っております。これらの取組により、婚姻や子育てを希望する方が増え出生率の向上につながり、市民の皆様に安心して子育てをしていただけるよう、また子育て施策の充実したまちとして認知されるよう取り組んでまいります。

 次に、組織的な取組でございます。組織的な取組といたしましては、福祉分野において複合的な課題や社会的孤立を防ぎ、日常生活上の生活課題を解決するための相談支援について、縦割りではなく分野横断的に行っていく新たな体制を目指しております。具体的には、市役所におきましてどの部署に相談に行ったらよいのか分からない市民の方の困り事を、まずは丸ごと受け止め、各課と連携が必要な場合は当該部署がコーディネートを行いまして、総合的に対応していくための福祉総合相談窓口、こちらの設置を現在予定してございます。また、本年度は新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するため、市民の皆様に新型コロナワクチンをできるだけ早く接種できるよう取り組んでまいりましたが、ワクチン接種の予約支援や集団接種会場での支援には、多くの職員が必要であったことから、担当部署の職員に加えて各部署に職員応援を依頼し、タブレットやスマートフォンからのウェブ予約の支援や、集団接種会場での受付などの業務に、市の職員が一丸となって取り組んだところでございます。その他、課題の解決に対して部門横断的な検討が必要な場合は、その取り組む内容や及ぶ範囲に応じて、職員等で構成いたします委員会やプロジェクトチーム、こういったものを設置してございます。例えば令和元年11月から現在に至るまで、部門をまたぐ職員14名によりまして、本庄駅北口周辺整備基本計画策定プロジェクトチームというものを設置し、にぎわいの創出と定住人口、定住促進による本庄駅北口周辺地区のまちなか再生に向けた本庄駅北口周辺整備基本計画素案の作成に取り組んでいるところでございます。以上、主な例をご説明申し上げましたとおり、部や課を横断した取組につきましては、行政課題や行政需要の規模等を踏まえ、様々な形で機動的に対応し、取り組んでおります。

  続きまして、今後の部門横断的なプロジェクト等の推進についてご説明をいたします。本市といたしましては、政策的な取組につきましても、また個別のプロジェクトチームによる課題解決につきましても、必要に応じて連携していくといった今までの取組を引き続き推進することで、複雑化、多様化する行政需要に対応していきたいと考えております。なお、国の動向でございますが、国におきましては各省庁が個別にシステム開発をすることの弊害として、システム間の連携がうまくいかなかったといった課題がございまして、こういった課題を解決するために、デジタル施策における組織の縦割り打破を念頭に、本年9月1日にデジタル庁が発足したところでございます。また、今後ですが、妊娠、出産、少子化対策、虐待など、子供をめぐる施策を一元的に進める司令塔の役割を持たせる、いわゆるこども庁を創設する動きも聞いているところでございます。本市といたしましても、国や他の自治体の動きも注視しながら情報収集に努めまして、効果的な部門横断的な取組について継続して進めてまいりたいと考えてございますので、ご理解を賜りたいと存じます。

 人事評価の指標の中に部門横断的な取組に対する評価があるかについてご説明をいたします。初めに、人事評価制度は、平成26年の地方公務員法の改正により、勤務実績や性格、能力等を評価しておりました従来の勤務評定制度に代わり、職員がその職務を遂行するに当たり発揮した能力と個人の目標に対して達成した業績を評価し、これを任用、給与、分限その他の人事管理の基礎とすることを目的に、導入が義務づけられた制度でございます。本市では、目標に対して達成した業績を評価する業績評価と、発揮した能力や取り組む姿勢を評価する能力評価等を行い、業績評価を踏まえた能力評価を行うことで、総合的な人事評価を実施しているところでございます。また、この人事評価の結果につきましては、昇任や人事異動に活用するほか、平成29年12月からは賞与に、平成31年1月からは昇給に反映しております。

 人事評価は、客観性、公平性を確保するため、原則として直属の所属長が面談を通じて一次評価を行い、一次評価者の直属の所属長が二次評価を行う複数評価を行っております。評価の実施方法でございますが、業績評価では、職員が設定した目標の達成度について評価を行い、能力評価では、職位に応じて求められる能力と基本的な役割を基準に、職務の遂行に当たり発揮された能力がその職位に期待される水準に対してどうであったかを客観的事実に基づき、実績を踏まえ評価するものでございます。次に、議員ご質問の部門横断的な取組に対する評価でございますが、例えばプロジェクト業務に参加するような場合ですと、本来業務の職務の遂行に当たり発揮した能力と、プロジェクト業務の職務遂行に当たり発揮した能力を、その職位に期待される水準に照らして総合的に判断し、さらに業績評価を踏まえて能力評価を行うこととなります。なお、本来業務でないプロジェクト業務の評価をする上で、評価者は必要に応じて関係者にヒアリングを行い、発揮した能力に職務に取り組む姿勢、業績や評価について情報収集を行い評価を行うものでございます。言い換えますと、単に部局横断的な取組に携わったということだけで、何らかの人事評価上のプラスがあるということではございません。人事評価に当たりましては、こうした事項を記載した手引を作成するほか、毎年評価者の目線を統一する研修を行うなど、公正な評価の実施に努めておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。


◆再質問◆

 人事評価については、携わったことについては評価するというようなお答えを今いただいたところです。私の知っている民間企業では、そもそもそういう目標立てをそれぞれの期に1つ2つは課している場合があって、そういうものがあると日常の業務の中で、特に若手職員というのは入って間もないですから、そもそも論から、この業務って本当にこれでいいのだろうかとか、改善するべき点があるのではないかということを考えやすいし、意識しやすいし、そしてそれが評価されますので、やろうという気になるのです。そういうのが大事かなと思って、私は今回人事評価も入れさせていただきました。

 今から3つほど具体的な例を挙げて、そういう取組みが今あるかどうかというのを聞いていきたいと思います。

 1つ目は、よくご相談をされることだとは思いますけれども、つい先日、親を亡くしてしまったという方から、どうして市役所の手続ってこんなに煩雑なのだというようなご意見を頂戴しました。語彙足の方は、市役所だけで「9課」で手続が必要だそうです。この9課でそれぞれ、まず事情を説明して、もちろんその課に先客がいる場合は待って、事情を説明して、書類を書いて…というのを市役所だけで9回やらなければいけないと。役所だけではなく銀行であるとか、登記の手続であるとか、いろいろなことも含めると、ご遺族の方は大変労力が必要になるわけです。それで、せめて、市役所の中だけでも1回で済まないものだろうか、とご遺族の方より言われたときに、確かにそのとおりだなと私思いました。窓口が一つであれば、お話を聞くのも1回で済むわけですし、書類はそれぞれ必要なものがあるとしても、1つの課で出せばあとは全部手配してくれるということが、市民の方を思うと非常に大切な取組みなのではないかなと思います。恐らく、窓口業務にあたっている職員は、市民の方から直接こういう声を承る機会ってたくさんあると思うのです。そしてご遺族の手続きというのは多くの窓口で長らくやっているわけですから「改善しよう」という声が職員から上がってこないのかな、というのが一つの疑問です。そこで、今までにこういうご遺族の手続に関して改善したほうがいいのではないかとか、どうにかしようよというような検討が、若手職員ではなくても構いませんので、プロジェクトチームなり会議なりで取組まれたことがあるのかというのを伺います。

 2つ目としてSDGsについて伺います。SDGsというのは、ご承知のとおり環境とか教育とか経済とか、非常に多岐にわたる目標で、本市も目標の達成に向けて取組みを推進していこうということで、各種計画等へ反映が進んでいるところです。昨日市長は、次期に向けた決意として、持続可能であるとか、誰も取り残さないであるとか、こういうSDGsに関することも発言されておりますので、さらに推進したりとかしていくことは考えておられると思いますけれども、例えば江戸川区とか、北九州市とか、生駒市とか、全国各地ではSDGsという独自の課をつくっているところもあります。もちろんその課をつくるということ自体が目的ではありませんので、担当者を集めたプロジェクトを組む、あるいはもう取組んでいるかもしれませんが、このSDGsの観点から、現在この部門横断的な取組が行われているかということについて伺います。

 3つ目は、私も先日見てまいりましたけれども、マリーゴールドの丘イルミネーションが非常に大きくなってきまして、2019年の第2回定例会でも私は取り上げたのですが、当時はまだ認知度が低いとか利用度がないというと課題がありました。去年あたりからは多くの市民の方が認知をして、見に行く状況が生まれていると思います。ただ、初めて行った方より私ご意見を頂戴したのですけれども、目的地として行ってもなかなかたどり着かない、「ここかな?」と思って1回行って、また戻ってきて、もう一回行ったらやっと見つけたとのことです。たどり着いたら確かにイルミネーションは綺麗だけれども、あの公園は駐車場が上のほうに、イルミネーションのすぐそばにあるので、車が入ってくるたびに、せっかくきれいな光がライトの光で消えてしまうと。

 見つけにくい問題については、例えば駅からマリーゴールドの丘に行くまでに光の道みたいのをつくれないのかとか、いろんなアイデアをその人から頂きましたが、一人の人でも行ってみれば改善を思いつくわけです。恐らく市役所の職員の方もイルミネーションを見に行っているわけですから、もっと良くするためにはこうしたらいいのではないかとか、ああしたらいいのではないかというようなことが、たくさんアイディアを持っているはずです。なので、マリーゴールドの丘に限らなくても、本市のイルミネーション事業をどうしようかとか、考える機会を作っては如何でしょうjか。前に質問した際には、マリーゴールドの丘のイルミネーション事業はマリーゴールドの丘のため、つまりマリーゴールドが咲かない冬の公園の利活用でやったのだと仰っていました。だから、本庄市観光振興計画にあるような市内各所でのイルミネーションを展開するということとは別だというお話もありましたけれども、市全体としてイルミネーションをどうしていこうかとか、今あるイルミネーションをどうやってもっといいものにしていくかということを、予算がついている都市計画課だけではなくて、いろんな課の職員を交えたプロジェクトを組織するべきだと私は思います。以上3点について、お伺いいたします。


<答弁>

 再質問として3点いただきました。まず1点目でございますが、市役所における、例として亡くなられたときの手続が煩雑であるというお話でございました。それに対しての市役所の検討状況ということでございます。先ほど縦割りという表現はさせていただいたのですが、市役所における手続というのは、これは担当が決まっております。その決まっている手続を、どうにかして市民に利便性のいいようにしたほうがよいということにつきまして、総合受付、総合窓口という考えがございます。これにつきましては、以前から市の中でも検討、研究等はしているところでございます。実現に向けてどうかということでございますが、現状では、まだその総合窓口の実現というところには至っていないということでございます。

 2つ目が、SDGsへの取組ということでございます。このSDGs、本市の取組につきましては、昨年の3月に策定した本庄市まち・ひと・しごと創生総合戦略におきまして、今回SDGsのアイコンをひもづけさせていただいております。こういった推進に当たって、本部長である市長をはじめ、全部局長から構成される本庄市まち・ひと・しごと創生本部を設置してございますが、この本部におきまして本市の課題解決やSDGsの掲げる目標に向けまして、まさに部や課を横断した取組の推進を図っているところでございます。また、今後でございますけれども、先ほども申し上げました総合振興計画、今度令和5年から後期基本計画の策定を予定しておりまして、こちらにもSDGsの考え方を取り入れて、全庁的な推進を図ってまいりたいと考えてございます。このほか、先ほどご説明させていただきましたように、単独の施策だけでは解決することが難しい、今後も様々な課題が発生することが想定されます。政策連携プランのように部門横断的な取組を引き続き行いながら、各施策や事業の連携、推進を図ってまいりたいと考えてございます。

 3つ目でございます。マリーゴールドの活用について、庁内で今後よりよくしていこうという組織、プロジェクトがあるのかということでございますが、現状ではございません。


●中学校「謎ルール・ブラック校則」の現状と改善について

 謎ルール・ブラック校則とは、近年問題が顕在化しつつある行き過ぎた規制のことを指しますが、今回は市内中学校における、かつてなのか、今もあるのか、不明確な中学校の決まり事についての現状を確認するとともに、その背景を明らかにしたいという思いから、以下伺ってまいります。なお、1から4点目につきましては、規制があるないでお答えいただき、ある場合には4校中何校で確認できたかをお答えください。

 1つ目として、髪等について。髪型の制限並びに色を染めることに対して制限はあるか、教師が髪型や色に関する証明書の提出を求める場合があるか、眉毛の手入れについて指導や規制をすることがあるかお聞かせください。

 2つ目として、服装について。色を含めた靴の指定、色やポイント数の靴下の指定、下着の色の指定、体育着の下に下着を着ることについての指定や色の指定、ベルトの素材や色の指定、登下校のときの服装の指定、カーディガン禁止、コート等の上着の禁止、あるいは色の指定があるのかお聞かせください。

 3つ目として、学校生活について。置き勉の禁止、他教室への入室禁止、スマートフォンの持参禁止、毎日の学校生活においてジャージでいてはいけないタイミングがあるかどうかについて伺います。

 4つ目として、学校外での生徒の行動制限について。登下校中の買い食いの禁止、テスト期間の外出禁止、遊興施設へ行くことの禁止、通学かばんを前籠ではなく荷台にくくりつけなければならないという規制があるかお聞かせください。

 最後に、1から4点目で述べた禁止、規制の根拠について、どうしてそういう制限をしているのか、もし制限があればですが、その概要について要点を絞って簡潔にお聞かせください。


<答弁>

 議員からご質問がございました項目につきまして、市内中学校での規制の有無について、それぞれご説明申し上げます。初めに、髪型と色及び眉毛の手入れにつきましては、全ての学校で規制がございますが、髪型や色に関する証明書の提出を求めている学校はございません。

 次に、色を含めた靴、色やポイント数の靴下、ベルトの素材や色、登下校時の服装につきましては、全ての学校で規制がございます。下着につきましては、全ての学校で白を基調としております。また、全ての学校で、冬場など寒い時期に体育着の下にTシャツを着ることを可能としており、色については白を基調としております。コート等の上着につきましては、色について全ての学校で規制がございます。また、カーディガンを着ることを規制している学校は、4校中3校でございます。

  次に、いわゆる置き勉、他教室への入室、スマートフォンの持参及びジャージではいけないタイミングの設定につきましては、全ての学校で規制がございます。なお、置き勉とスマートフォンにつきましては、全ての学校で一部許可しております。服装とジャージにつきましては、基本的には制服で過ごし、授業の内容に応じて、また給食や清掃時などではジャージでも可というように使い分けられております。続いて、登下校時のいわゆる買い食いについては、全ての学校で規制がございます。遊興施設へ行くことについては、一律に禁止しているわけではございませんが、各学校において規制がございます。登下校時に通学かばんを荷台へ結ぶと定めている学校は、4校中2校でございますが、全ての学校で交通安全上、前籠には重い荷物を入れないよう指導をしております。テスト期間中の外出については、規制している学校はございません。

 次に、禁止や規制をする根拠についてご説明いたします。平成22年度生徒指導提要によりますと、校則とは、児童生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長していくための行動の指針として、各学校において定められているものとされております。児童生徒が心身の発達の過程にあることや、学校が集団生活の場であることなどから、学校には一定の決まりが必要でございます。また、学校教育においては、社会規範の遵守について適切な指導を行うことは極めて重要なことであり、校則は教育的意義を有しております。かつて、学校が荒れていたという時代においては、全国の学校で校則を盾に生徒を一方的に厳しく指導することがございました。しかし、社会の変化とともに、生徒一人一人の個性を尊重し、多様な価値観が認められる時代へと変容してきております。そうした観点から、見直しの動きが高まっていると承知しております。校則の見直しにつきましては、6月8日付の文部科学省からの通知「校則の見直し等に関する取組事例について」で、学校や地域の実態に応じて校則の見直しを求めるとともに、取組事例の紹介がございました。本市の学校でも、社会の情勢や保護者の方の意見、生徒の実情も踏まえ、校則につきましては毎年各学校で職員会議等で見直し、必要に応じて変更するなど、更新を重ねております。また、生徒や保護者の理解を得るために、学校に入学する前の新入生保護者説明会の場で、保護者や児童に対して校則の内容とともに、その意図や理由を丁寧に説明し、入学後もその時々に応じて繰り返し説明をしております。さらに、いつでも校則を確認できるよう、生徒手帳にも明記されております。以上のようなことから、本市においては学校における現在の校則は不適切で行き過ぎた規制には当たらないものと認識をしております。一方で、学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況は変化するため、校則の内容は、児童生徒の実情、保護者の考え方、地域の状況、社会の常識、時代の進展などを踏まえたものになっているか、絶えず積極的に見直す必要があると捉えております。教育委員会といたしましては、今後も校則が生徒の実態や社会情勢に見合ったものとなり、行き過ぎた規制とならないよう、各学校に情報提供を行ってまいりたいと考えております。


◆再質問◆

 健全な学校であるとか、よりよく生活していくためであるとか、確かに決まりというのは最低限はあることで円滑に回っていくというところもありますので、そこは私も特に異論はありません。しかし徐々に時代というのは変化しています。例えば、かつては学校が荒れていたと言われる1970年代~80年代、そのぐらいの時代には髪型の規制、というよりも強制的に矯正する、パーマをあてているとか、色を染めているとか、そういう生徒はすぐに美容室に連れていかれて直させ、お代は家庭持ちということがあったようです。私が生徒だった時代には、そういった指導はありませんでしたが、髪を染めてきた生徒は学校・クラスに入れないということで、せっかく登校しても校長室のみでクラスに入れてもらえないという指導がありました。これを踏まえた1つ目の再質問として、全ての学校で髪型とか色とか眉の手入れに関する規制はあるというようなお話がありましたので、現在、違反してきた子に対する指導というのは、どのようにされているか伺います。

 それから、ジャージの規制についてもお答えをいただきました。基本的には制服着用、ジャージというのは給食であるとか、掃除であるとか、もちろん体育であるとか、そういうときに着てもらうと。私が生徒から言われたことがあるのは「先生はずっとジャージじゃないか」という不満です。普段、朝から晩まで先生というのはジャージの人が多いのです。教育委員会の人が来るとか、授業参観があるとか、そういうときはいつもジャージで通している先生もいきなりスーツになりますが。なのに、朝の会だから着替えろとか、次は何とかの授業だから着替えなければいけない、というのは、違うのではないかなと思います。生徒に社会的なルールを教えるために制服とジャージとを使い分けているのであれば、教える側も身をもって示すというか、態度で示すというか、自分たちもちゃんとスーツを着て、動くときにはジャージに着替えることをやっていれば、生徒からの不満は出ないのではないかなと思います。服装に関して、教育委員会として統一した見解があれば、お答えをいただきたいと思います。

 伺いたいことは沢山ございますが、時間に限りがありますので、祭儀に一点。現在、時代が多様化しているというお話もございました。ゆくゆくは、いろんな社会の変化に応じて校則というのは見直していくと思います。見直すときには、例えば生徒から声が上がってきたり、保護者から上がってきたりする場合があると思いますけれども、教育委員会や学校としては、そういう声があった場合どういう対応をするのか、伺います。


<答弁>

 初めに、髪型とか色とか、そういった場合の指導ということでございますけれども、まずそういった生徒さん、例えば髪を染めたようなことで学校に来た場合には、まず生徒の話をよく聞きます。本人と、それは校則違反であるということを確認いたします。そして、その上で本人を指導して、保護者に連絡をして、納得をしていただいて、それで直していただくということで対応しております。

 2点目のジャージの関係ですけれども、学校では、やはりまず制服が決められているということがございますので、まずは制服を着ていただくというのが基本ということになっております。ジャージにつきましては、お話にもあったとおり授業の特性、体育とか美術、そういった授業とか、あとは給食とか清掃のときにジャージで過ごすことを認めていると。また、部活動がある場合には体育着、ジャージを下校等も認めております。これにつきましては、まず1つはやはり制服が定められているということがございます。学校で、先生がジャージとかということもあります。それは、先生自体が例えば体育の先生とか、授業によって、その先生に応じてというのですか、それによってそういった服装でいるということで理解をしております。

 最後に、校則の見直しに当たっては、保護者、生徒の意見ということなのですけれども、毎年当然見直しということは必要だと思っております。そうした中で、保護者の方のご意見、生徒の考え方も一つの材料として、常に社会の情勢とか時代の進展、そういったことを踏まえて検討していくことが必要であるというふうに教育委員会としては考えておりますので、いろいろそういった情報を学校に情報提供してまいりたいというふうに考えております。