【討論】本庄市市民協働のまちづくり条例について(2021年第1回定例会・賛成討論)

 議第3号議案 本庄市市民協働のまちづくり条例について、賛成の立場から討論いたします。

 初めに、今なぜ協働のまちづくりが必要なのか、次に、どのような経過でこの条例が議員提出議案として今日この場に上程されたのかという2つの観点から、賛成の理由を述べてまいります。

 協働とは複数の主体、すなわち市民、市民活動団体、地域コミュニティ団体、企業など様々な地域社会の担い手たちが、地域の課題解決や目標の達成のため、それぞれの得意な分野において力を発揮し、協力し合い、1足す1が2ではなく3にも4にもなるように活動することを言います。

 念のため申し上げておきますが、既に協働に関する条例は様々な自治体において制定されており、その必要性は広く認められているものです。地方分権一括法が制定され、20年が経過しました。中央集権的な行政の在り方を見直し、各地方公共団体は自らの判断と責任により地域の実情に沿った行政を展開することとなりました。この20年の間、社会情勢はかつてないほどにスピードを増しながら大きく変化し、高齢者福祉や子育て、教育、環境、災害など様々な課題が増えてまいりました。この結果、市民のニーズも多様化、複雑化し、リリースが限られる中、行政に求められることも高度化しているのが現状です。

 加えて、地方行政が財政的にも厳しさを増しており、これまでのように行政のみが一元的に公共サービスを担うことは現実的ではありません。このような社会的背景があり、市民、市民活動団体、地域コミュニティ団体、企業などの各主体が共通の目的のために対等な立場で互いの役割と責任を分担し、補完、協力してまちづくりに取り組むことが必要な状況が生まれてまいりました。

 本庄市の現状を見渡せば、地域の中には自分たちでできることを実行しようとする市民やNPO法人、ボランティアグループや市民団体、自治会など、各主体が様々な課題に対し活発に活動をされています。行政側も、本庄市総合振興計画に記載のあるとおり、市民との協働によるまちづくりの推進が政策として掲げられており、様々な事業を市民との協働により実施しようと計画しています。

 協働のまちづくりに大切なのは、各主体が力を出しやすい環境を整えていくことです。したがって、これからさらに本庄市内における協働を推進し進化させるためには、協働のまちづくりをしっかりと定義し、それぞれの役割やルールを定めた明確なよりどころが必要不可欠であるということから、条例の制定に向け、2019年から本格的に動き出しております。ここからは、市民協働のまちづくり条例が今日ここに上程されるに至った経緯について述べてまいります。

 私どもの会派、市議団大地では、2019年に市民に対して協働に関するアンケートを実施し、また協働に関する講演会を10月5日に開催し、協働のまちづくりに関する現状の把握とその必要性について、市民の方々と一緒に考える機会をつくってまいりました。私どもの会派において、こうした活動を行った結果、本庄市において市民協働のまちづくり条例の制定が望ましいと判断し、必要と判断したことは、議員の職務でもある議員提案の条例としてつくっていこう、ついては会派のみでつくるのではなく大きく議会として超党派で様々な人の考えを聞きながらつくっていきたいという考えから、市民協働のまちづくりに関する条例を議会としてつくるということに共鳴し、賛同する議員を広く募り、2020年5月から具体的に動いてまいりました。

 当初の会議において、2021年の3月議会上程を目途として作成していこうとの意思統一があり、その目標に向け一丸となって団体向けの協働のまちづくりに対するアンケートを取りながら、市の市民活動推進課とも適宜連携をし、6月19日、7月20日、8月11日、8月18日、8月26日、9月16日、10月28日、11月11日、11月27日、12月17日と10回にわたり会議を開催し、出席する議員による意見や提案に基づく修正をし、協議を重ね、議論を尽くし、11回目の会議である12月21日に今回上程した市民協働のまちづくり条例の条文の内容について、条例づくりを行った会に参加する議員の総意として、最終案として決定をいたしました。

 このような過程を踏まえ、いよいよ本年3月議会に上程しようとした矢先、条例制定に当たってはパブリックコメントを実施したほうがよいのではないかという意見が参加していた議員より出されたため、条例づくりを行った会としては、市民協働のまちづくり条例という条例の内容にも鑑み、パブリックコメントを実施することとし、3月議会の上程は取りやめて、2021年3月19日から4月19日までの1か月間、パブリックコメントを実施し、お一人の方から4件の貴重なご意見を頂戴しました。

 言うまでもありませんが、パブリックコメントは、施策の計画段階で原案を発表し、市民から意見を募り、その意見を考慮して最終決定を行う仕組みのことであり、会の総意としてパブリックコメントを実施するに至ったということは、少なくとも市民協働のまちづくり条例をつくってきた会の中にいた議員たちの共通認識としては、市民に原案として提示した条例案、つまり今日ここ本会議場に上程した、この市民協働のまちづくり条例の内容が、有志の議員が集まって作成した会としての最終的な決定であり結論であるということは、パブリックコメントを実際に実施しているということからも明らかであると言えます。

 加えて、寄せられたパブリックコメントに対する市議会の考え方を作成するに当たり、一度は会議においてこの条例には必要がないと結論づけられたコメンタールについて、やはり必要なのではないかという声が上がったことから、今議会において議論を重ね、完成させました。

 このように十分に議論を尽くした経過があり、今日ここに議案として上程されたのが、市民協働のまちづくり条例です。今後、条例の前文にあるように、本庄市を未来につなげていくために、市民一人一人がまちづくりの主役であり、担い手であることを認識し、誰一人取り残されることのない「笑顔で暮らせる本庄市」をつくり上げることを目指すために、この条例が広く市民の皆様に認知され、協働のまちづくりのさらなる推進、進化につながるよう活用されることを願っております。

 以上の観点により、議第3号議案 本庄市市民協働のまちづくり条例は、次代の魅力ある本庄市をつくっていくためには必要不可欠な、まちづくりの基幹をなす条例であると判断できるため、賛成の討論といたします。


うちだ えいすけ 【本庄市議会議員 内田 英亮】/Official Website

美しい、本庄へ。あなたと うちだ えいすけ の、愛あるまちづくり -本庄市議会議員・内田 英亮のオフィシャルウェブサイト-