①早稲田リサーチパークに新たな博物館(文化財展示施設)を開設すること及び歴史民俗資料館について②早稲田の杜「マリーゴールドの丘」イルミネーション事業とその是非及び(2019年第2回定例会・一般質問)

●早稲田リサーチパークに新たな博物館(文化財展示施設)を開設すること、及び歴史民俗資料館について

 本市の文化財展示施設は、博物館法で定める登録博物館、博物館相当施設ではありませんが、期待も込めて博物館と述べます。

 私は、昨年の第2回定例会<リンク>及び第3回定例会<リンク>の一般質問において、本市が将来像を歴史と教育のまち本庄としていながらも、歴史、文化の中核拠点たるべき本市の博物館には、課題、問題が山積みであることを指摘し、本市が名実ともに歴史と教育のまちになるために、またあなたと活かし、みんなで育むためにも、文化財行政の速やかなる改善を提案しました。

 私の提案を受けて、昨年度、文化財保護課でミニ企画展を実施し、本市の文化財行政は一歩前進しました。また、私が訴えた施設がバリアフリーではない問題、来館者の安全確保の問題、展示スペースの不足など、博物館として旧本庄警察署を活用することは課題が多過ぎる。新しく建設せずとも博物館は別の施設にするべきだという指摘、提案についても、本年度より早稲田リサーチパークのコミュニケーションセンターを活用して、新たに博物館を整備する計画が動き出し、本市は歴史と教育のまちとして大きく動き始めました。

 これらの取り組みは、本市にとって近年にない進化であり、私も歴史に強い議員としてうれしく、また本市の歴史と文化財を大切に思う市民からも高く評価をされています。

 博物館は、地域の文化拠点として長きにわたって活用され、愛されなければなりません。今回の整備で歴史と教育のまちにふさわしい市民に親しまれ、活用されるしっかりとした新博物館、本当の意味での博物館をつくるために、木ではなく森を見る立場から、以下伺ってまいります。

 1つ目として、新たな博物館を開設することになった経緯について伺います。

 2つ目として、新たな博物館を早稲田リサーチパークコミュニケーションセンターに開設する理由について伺います。

 3つ目として、本市に通史的な博物館がなくなることに対する市の考えを伺います。

 4つ目として、これまで機能していなかった博物館としての役割を新たな博物館で機能させる工夫について伺います。ここでは、これまで学芸員が配置されていないことにより、資料に関する調査研究をすることを目的とする機関という機能が失われていた点、企画展がないためリピーターがふやせなかった点、バリアをなくし、誰もが来館しやすい施設にする工夫についてお答えください。

 5つ目として、現在の歴史民俗資料館、旧本庄警察署の今後の活用について伺います。


<答弁>

 新たな博物館を開設することになった経緯と早稲田リサーチパークコミュニケーションセンターに開設する理由について、ご説明をいたします。その他の答弁は、教育長からいたさせます。

 まず、新たな(仮称)本庄早稲田の杜ミュージアムの開設までの経緯をご説明申し上げます。以下、ミュージアムと略称させていただきます。

 本市と早稲田大学は、昭和30年代の大学移転構想から始まる長い歴史がございますが、昭和40年代に入り、新たな覚書を締結し、セミナーハウスの開設、その後の早稲田大学本庄高等学院の開校と、大学の地域への定着度は高まってまいりました。その後、平成10年代には早稲田リサーチパーク構想がスタートし、平成15年には現在の公益財団法人本庄早稲田国際リサーチパークが設立され、翌16年には早稲田リサーチパークコミュニケーションセンターが竣工となりました。

 また一方で、文化財を接点とするかかわりの歴史も大変古いものがあります。早稲田大学は、古くは昭和30年代に西富田地区において、古代集落跡の学術調査を実施し、また昭和53年以降には、本庄キャンパス内における大規模な発掘調査を継続的に実施しております。平成17年には、本市と早稲田大学は、まちづくりや人材育成、文化の育成、発展などさまざまな分野において相互に必要な支援と協力を行うことを目的に、早稲田大学と本庄市との協働連携に関する基本協定書を締結いたしましたが、この時点でも文化財の活用について合同企画展の開催など、市と大学の連携、協働によるその活用の方向性が示されました。

 なお、今申し上げたこの文化財の合同企画展などのほかに、現在ではこの基本協定により早稲田大学には川淵三郎塾や市民総合大学、子ども大学ほんじょうなど多くの事業に協力をいただいております。

 さて、文化財の活用、合同企画展の開催についてでございますが、協定に基づき平成24年度には早稲田リサーチパークコミュニケーションセンター2階の情報資料室を会場に、大久保山展を開催し、平成26年度から4年連続で、市と早稲田大学に加えて、埼玉県や美里町、神川町、上里町とも連携し、大学と児玉地域の4市町が所蔵する出土文化財を一堂に展示する本庄早稲田の杜地域連携展覧会を開催してまいりました。

 本市におきましては、旧石器時代から近代までのさまざまな遺跡が存在し、今日までの市の歩みを物語る多くの文化財が出土しております。本市の歴史を伝える施設としては、旧本庄警察署を活用した歴史民俗資料館が長らくその役割を担ってまいりましたが、施設の狭さや見学環境が整わないなど課題も多く、よりよい文化財展示のあり方について検討を続けておりました。

 一方、早稲田大学では、本庄キャンパスにおいて、大久保山遺跡から出土した資料やオセアニア民族造形美術品など、早稲田大学ならではの魅力的な資料を多く所蔵しており、それらの展示や活用と早稲田リサーチパークコミュニケーションセンターの有効活用が課題となっていたところでございます。

 早稲田大学とは、校地全体の活用や早稲田リサーチパークコミュニケーションセンター2階の情報資料室の活用など、さまざまな点で協議を重ねてまいりましたが、特に施設1階にありました飲食店が平成27年3月に撤退し、その跡地の利活用についてが課題となり、市と大学の双方でその具体的な活用について検討する必要性が生じました。

 こうした中、私もこの大学の校地を中心とした地区を本市の文化の拠点として位置づけることが有効な活用につながるのではないか、このように考えまして、大学側と協議をしてまいりました。その結果、平成29年度からは、双方の課題を踏まえ、お互いの豊富な資源を生かし合う方法についての具体的な検討が始まり、連携してミュージアムを設置する方向で協議を行ってきたところでございます。

 次に、早稲田リサーチパークコミュニケーションセンターに開設する理由についてでございますが、新たに施設を建設するのではなく、恵まれた自然環境を有する大久保山や宥勝寺裏埴輪窯跡等の貴重な遺跡に囲まれた場所に立地している早稲田リサーチパークコミュニケーションセンターを活用できるということは、大学との連携、周辺の環境、コストの面を総合的に検討し、何よりふさわしい場所であると考えております。

 また、立地といたしましても、本市のほぼ中央に位置し、駐車場、駐輪場も備わっております。アクセス面でも恵まれており、JR高崎線本庄駅からは、本庄早稲田駅まではにぽんシャトルが運行し、本庄早稲田駅からは徒歩5分、車では、本庄児玉インターチェンジから5分と遠方から来館されるお客様にとりましても利便性の高い施設であると考えております。

 さらに、ミュージアム周辺は、これまでも早稲田大学との連携による生涯学習やスポーツなど、さまざまな文化活動が行われてきた場所であり、教育、自然、文化財が集積した本庄市の文化のまちづくりの拠点として発展する可能性がある場所であると考えております。

 市といたしましては、大学の校地を含めた一帯を本庄早稲田文化の杜と呼び、ミュージアムを核とした文化の発展拠点としての可能性と魅力について、内外にPRしてまいります。

 まずは、市と大学が連携して運営するという新しい形のミュージアムが本市の目指す歴史と教育まち、未来を拓く人を育み、歴史と文化の薫るまちの実現に寄与できるようしっかりと準備してまいりますので、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 通史的な文化財展示施設がなくなることに対する市の考え、新たな博物館での工夫、歴史民俗資料館の今後についてご説明いたします。

 本市には、歴史民俗資料館、塙保己一記念館、競進社模範蚕室、文化財整理室展示コーナーの4カ所の文化財展示施設がございます。旧本庄警察署を活用した歴史民俗資料館において、1階で考古資料を中心の展示、2階で中山道を中心とする近世以降の資料を展示することで、本庄市の通史的な展示を行ってまいりました。新たに開設するミュージアムでは、歴史民俗資料館の機能を引き継ぎ、1階で展示しております考古資料を移設し、加えてこれまでスペースがなく公開できなかった多くの考古資料を展示いたします。

 また、早稲田大学では、大学が所蔵する本庄キャンパス内で出土した考古資料やオセアニア民族造形美術品などを展示する予定です。歴史民俗資料館で展示しております近世以降の資料は、中山道の近くにあることが望ましいと考えており、中山道に位置し、本市の蚕糸業の隆盛を象徴する建物である旧本庄商業銀行煉瓦倉庫で関連資料とあわせて展示することとしております。

 議員ご指摘のとおり、現在の歴史民俗資料館の展示資料を2カ所に分けて展示することとなりますが、ご来館くださる方、特に子供たちに郷土の歴史を学ぶ場所として活用してもらうためには、本市の通史を1カ所で学べることも非常に大切であると考えております。

 ミュージアムでは、パネルの展示や解説などにより本市の歴史を通史で学べるよう工夫してまいります。また、ミュージアムでは、他の文化財展示施設や文化財等のPRも行い、本市の文化財展示施設の中心的存在として整備を進めてまいります。

 さらに、近接の自治体や市内外の学校、関連団体等との連携を推進し、それらによって形成される文化クラスターの中核施設として機能することを目指してまいります。

 次に、博物館としての役割を機能させる工夫についてでございますが、まず博物館の役割といたしましては、資料の収集、保管、調査研究、展示公開、教育普及活動が挙げられます。特に調査研究は博物館活動の根幹となるもので、その成果は、企画展示や紀要等の形で公開することが必要であると考えております。

 ミュージアムでは、これらの博物館活動を着実に実施していくため、学芸員の有資格者を初めとする調査研究が行える職員の配置を予定しております。さらに、国や県が実施する研修会にも積極的に参加するなど、活動を支える人材の育成にも努めてまいります。

 また、たくさんの方に来館していただくために、早稲田大学と連携した魅力的な企画展やシリーズ企画の講座、講演会などを開催したり、展示資料を活用したワークショップ、例えば子供たちに向けた土器や埴輪づくりを開催したり、周辺の施設と連携したスタンプラリーの開催など、定期的な来館の動機づけとなる企画を考えてまいります。

 さらに、ミュージアムでは、学校教育との連携にも力を入れ、校外学習の場として活用していただけるよう、事業内容と連動したプログラムの作成にも取り組んでまいります。

 また、誰もが来館しやすい施設づくりについてでございますが、早稲田リサーチパークコミュニケーションセンターは、既にバリアフリー対応となっております。展示室につきましても、障害のあるなしにかかわらず、展示に親しみ、来館しやすい施設となるよう努めてまいります。

 次に、歴史民俗資料館の今後についてでございますが、ミュージアムの開館に合わせて閉館とし、その後につきましては旧本庄警察署として当面の間、外観を保存し、見学していただく予定です。旧本庄警察署は、明治期に建築された建物であり、平成28年度に実施した耐震診断において、十分な耐震性は備えていないという結果が出ております。県指定の文化財であるため、県と協議を進め、今後どのように整備していくのか、慎重に検討してまいりたいと考えております。

 さらに、旧本庄警察署を含む周辺の整備につきましては、老朽化している収蔵施設の解体や旧本庄商業銀行煉瓦倉庫との連携など、諸々の課題を整理した上で、計画的に整備してまいりたいと考えておりますので、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。


◆再質問◆

 早稲田リサーチパークは、その目標として環境、エネルギー、情報通信を中心とした科学技術分野の研究拠点を掲げていたはずで、拠点整備推進局の孫子の代まで引き継げるまちを目指して、本庄早稲田の杜づくりでも科学技術を先導する研究開発交流の拠点づくりを目指すとされています。

 一方で、今回、市と早稲田大学でリサーチパークコミュニケーションセンターの一部を人文系歴史博物館にしようとしています。この整合性について、つまりリサーチパークは、科学技術分野の拠点という目標をもう今はやめてしまっているのか、あるいは歴史博物館において学際的に科学技術を活用した研究をしようという考えがあるのか、リサーチパーク内に博物館があるということをどう考えればいいのかというのがとても気になっています。

 近年は、研究拠点というよりは、地域産業人材育成などの活動にシフトしているようですが、新博物館をリサーチパーク内に整備することは、本市の新博物館としてどのようなメリットがあると考えていますか、お伺いします。


<答弁>

 あそこの施設は、確かにできたときに、環境科学……今、高等学院がホールとして使っている場所等も含めて、あるいはその周辺にあった地球環境等を研究する施設も含めて、環境系と情報系の研究施設ということで位置づけられた経緯もございますが、あのリサーチパークコミュニケーションセンター自体は、あれは県、それから大学、それから周辺市町村、これ本庄市も含まれておりますけれども、一緒につくった施設でございまして、今現在でももちろん大学院の環境エネルギー研究科が使っております。

 ただ、環境と情報のみに特化した施設としてつくられているというわけではございませんで、本庄市と大学の間に、産・学・公・地域連携促進センター(仮称)の利用に関する協定書というのがございまして、もともとあそこは産・学・公・地域連携促進ということを進めていきましょうというコンセプトがあったわけです。その中にいろいろ書いてあるのですけれども、大学、県及び市町村は、センターが大学の教育研究機能を中心に地域において活動を展開する企業等への業務支援、人材育成及び地域住民の学習機会の拡大など、産・学・公・地域が連携した交流の拠点として、地域の産業振興、地域文化の向上を図るための中核的な役割を担うものとなるよう、相互に連携、協力するものとすると、こういう協定書も結ばれております。

 したがいまして、その環境あるいは情報のみに特化した施設ということで考えられていたわけではございませんで、現在でも、例えばあそこは市民総合大学の学ぶ部署にも使われておりますし、非常にそういう意味では用途としては、考え方は広く持っていくべきというふうに思っています。

 もっと根本的に言いますと、大学と本庄市は、もともと昭和30年代にあそこに大学を誘致するというときに結んだ覚書、これを大学自体が来られなくなってしまったということがございまして、そのときに新覚書というのを結んでおります。その新覚書によると、細かい言葉はここではちょっと手元にはないのですけれども、大学は本庄市と周辺市町村と協力して、この地域の文化の向上、教育の推進等について協力をしていくということが既にその一番根本となる覚書にも結ばれているのです。そういう大きなくくりの中で、やはりリサーチパークコミュニケーションセンターについても活用していくことが必要であろうと、そういう観点から今回の考え方も延長線上にあると、私は認識しているところでございますので、ぜひご理解をいただきたいと思います。


◆再質問◆

 私は、この計画を聞いて最初から思っていることがありまして、歴史博物館としてしまうのではなくて、それこそ先ほど市長が言ったようなリサーチパークのさまざまな面を活かした環境であるとかエネルギーであるとか、そういう科学分野の展示とか、あるいは周辺の大久保山の自然とか、鳥などの展示、こういったものもあわせ持つ、いわゆる総合博物館という、人文とか自然科学を展示する施設にしてしまえば、魅力ある博物館になるなというふうに思うのです。

 そのためには、今、1階と2階の一部を展示室に改修するという計画ですけれども、それでは展示スペースが足りないとは思いますが、当該施設には3階、4階もありますから、大規模に改修して、総合博物館にすると魅力が増すのかなという考えを持っています。

 せっかく早稲田大学と協働で博物館を整備するという計画が今回出たのに、歴史博物館となりますと、早稲田大学の本庄考古資料館と連携するという形が一番強くなってしまう。そうではなくて、早稲田大学は、市長はよくご存じだと思いますけれども、いろいろな学部、学科とか、あるいは博物館を校内にもっています。学部や博物館と連携をとって、本庄市民のためになる、ここが一番重要なポイントだと思うのですけれども、博物館としてほしいというふうに思っています。

 早稲田大学のため、施設の有効活用のために改修するというのではなくて、早稲田大学がしっかりと本庄市のために博物館整備を協力してくれる、という姿勢が大切です。市民に愛される施設を創ることが、最終的には早稲田大学の持つ資料を十分に活用をすることにつながります。また文部科学省も平成26年度の白書の中で、大学における生涯学習機会の提供と記しているように、地域社会における知の拠点として、大学における教育研究の成果を直接地域住民などに学習機会として提供する役割を果たすことに繋がる施設、それが今回の新博物館の整備で本庄で展開できると思います。本庄市民のために魅力ある博物館を整備するということが、大きく見れば早稲田大学のためにもなっていくのではないかなというふうに考えています。

 冒頭に述べたような、歴史博物館にとどまらない総合博物館としての整備をしていくというのも一つ考え方としてはあるのかなというふうに思いますが、この点について考えを伺います。

 次に、私の提案となりますけれども、早稲田には會津八一記念博物館、坪内博士記念演劇博物館、早稲田大学歴史館、早稲田スポーツミュージアムという4つの魅力ある博物館があります。もし私が執行側で、本庄市に魅力ある博物館を早稲田とつくっていこうというふうに考えるのであれば、リサーチパークのところに1室、本庄早稲田博物館学連携室、特別展示室のようなものをつくって、早稲田の博物館の分室の部屋を1つ設けます。

 そうすれば、先ほど紹介したこの4つの早稲田大学内の博物館から展示物をお借りすることができて、それらの博物館の資料を使って、あるいはそれらの博物館で実施されていた企画展示を回遊する、こういった工夫が博物館リピーターを生み、非常に魅力ある博物館につながるのかなというふうに考えます。

 当然、早稲田大学のメリットもなければ、早稲田大学が特別展示室をつくる意味はないので、メリットを付します。何かというと、社会貢献を通じた本庄市民に対する早稲田大学のイメージアップというのはもちろんのこと、その特別展示室を活用して、早稲田大学の学部生であるとか、あるいは博物館学講座を学ぶエクステンション講座を受講している生徒に対し、博物館実習を積極的に本市が受け入れ、その特別展示室を活用してもらうのです。

 学生・受講生にとって、新たな博物館が実習の場、企画展示の場、学びの還元の場となる。このように、本庄早稲田博物館学連携室を提供するというのが一つ案としてあるのかなというふうに思っています。そうすると、市民にとっては早稲田大学の持つさまざまな分野の展示物が、期間限定でやって来るという付加価値がつきますから、魅力的である。市民ではなくとも、魅力的な施設は観光の拠点ともなり、本庄の歴史にとどまらず、地域としても本庄・児玉をはじめとして郡、あるいは北関東史の一大研究・発信拠点を目指せる、そうするべき、という構想を、私は持っています。

 そして博物館学受講生が本庄市に来てくれる、ということは、本庄市を知ってもらう機会にもなるわけですから、知名度が上がる契機とできるでしょう。市民からすると、学生が企画した展示も見られるし、早稲田大学の収蔵品も見られると、まさに先日、SDGsの10万人以下で1位に輝きました本庄市にとっては、そういうことを考えていくといいのかなというふうに思いますが、この点についても市の考えをお伺いします。


<答弁>

 今、議員からいろんなご提案がございましたけれども、本当に私も聞いていて、そのご提案と同じようなことを、実はこの博物館構想というか、ミュージアム構想に至るまでに、大学のいろんな先生方ともう忌憚のない中でお話をさせていただいて、その中に今議員がご提案していただいたような話も入っていたなと思いながら、私自身も理想みたいなものを語らせていただく中で、大学とのこの連携の中でさまざまな分野の展示であるとか、あるいは調査研究も含めて、あの場所を生かせないかなと。実はあそこには高等学院の旧校舎もあるわけなのです。そこは今使われていないわけなのです。そういった活用も含めていろいろな夢とか構想を話し合っていたなということを今議員のお話を聞きながら思い出しておりました。

 なかなか一気呵成にそこまでは行くことは難しいと思うのですけれども、やはり本庄市の場合は、考古学の面においては、大学とのその連携については非常に長い期間の積み重ねがあるのです。だから、そういう意味では、一つそういう歴史に焦点を当てたミュージアムをつくっていくということは、ある意味、大学と本庄市の関係を考えますと、非常に地に足ついた一歩になるかなというふうに考えております。

 当然、その先には、私、先ほど本庄早稲田文化の杜というふうに申し上げましたけれども、この文化というのは非常に定義は広いわけでございます。本庄早稲田の文化の杜と位置づける中で、将来的には、あの高等学院の活用等も含めたさまざまな構想が実現できればいいというふうに考えておりますけれども、いずれにいたしましても本庄市だけのものではなくて、あそこは早稲田大学のものですから、早稲田大学の本庄キャンパスでございますから、当然その大学と一緒に、大学の現在の状況、本庄市の今の状況、これは財政状況もしかり、さまざまなことを考えながら、一歩一歩進めていかなければならないというふうに思っています。

 ただ、本庄市には早稲田大学という知の一つの財産があるわけでございますので、ぜひ将来的にはそういう大きな構想に向かって、私も進んでいきたいと、年来考えていたところでございますので、ご理解をいただきたいと思います。


◆再質問◆

 新しく博物館を整備するということで、今までは活発に行われなかった特別展示や企画展示、あるいは調査研究をしていくと、先ほど教育長からご答弁ありました。

 来館者が今日、博物館に求めていることの一つに、付帯設備があります。今、どういう博物館をつくろうかとか早稲田と協議したりしながら考えているとは思うのですけれども、展示とかその研究というのは博物館の本分としてもちろんなのですが、博物館整備にあたって本分以外の部分で、こういった施設を一緒につけていくといいな、という検討や調査、分析について、現在の状況をお聞かせください。


<答弁>

 ミュージアムに付随してより魅力のある施設というのでしょうか、そういうものの整備に関しての考えということでのご質問でございますけれども、やはりあそこはご案内のとおり、マリーゴールドの丘、あそこのところはそもそも文化財包蔵地ということになっておりますので、そういったことも含めて、このミュージアムが一つの拠点となり、またさらに広げて中山道、さらには塙保己一記念館、さらには郡内まで広げて、このミュージアムがこの地域全体の核となり、それぞれが生かされるようなものができてくればいいのかなというふうに思っております。


◆再質問◆

 博物館自体に何か付随した施設というか、施設としてほかに機能を考えていないのかという質問趣旨でした。

 実は、学芸員の世界では自明なことになっていることがありまして、現在は来館者にアンケートを大方の博物館ではとっています。そこで必ず上位に出てくるものというのはもう決まっているのです。1位は、座って休憩できる場所が欲しい。2位は、ミュージアムショップの充実が欲しいと、この2つが必ずと言っていいほど上位に決まって出てくるのです。このリサーチパークコミュニケーションセンターというのはご案内のとおり、博物館として建設されていないので、建物が外側がガラス張りになっています。

 ですから、あのガラス張りの壁面は、幾ら土器の展示が中心だからとは言え、展示室に使うわけですから、カーテンで塞ぐとか、フィルムを張るとか、何か加工すると思うのです。

 しかし、先ほどの博物館の利用者アンケートに上位で出てくるような、休憩できるスペースということで考えれば、あのガラス張りのところをぐるっと一周、コミュニケーションスペースにしてしまう等の工夫もできるわけです。新たな部屋を、壁を設けてつくれば、日光も遮れるし、ガラスも生かせるのではないかなというふうに私なんか考えるのですが、これはどうでしょうか、と提案させて頂きます。

 また、アンケート2位のミュージアムショップについても、これは私が先日、競進社模範蚕室で働いているシルバーさんに「来館者の感想はどのようなものがありますか」とお話を聞いたのです。そうすると、大体団体でいらっしゃるお客様が必ず言うことが決まっていて、「グッズとかお土産ってないんですか」と、「何でないんですか。どこで買えますか」ということを、必ず、聞かれるというふうに言っていました。

 博物館的で人気があるのはクリアファイルとか一筆箋とか、そういうのがよく出るものなのですけれども、本庄市の名産ということで、絣のネクタイとか名刺入れとか、あるいは博物館限定でリアルはにぽんとか盾持人物埴輪のレプリカとか、そういうものを販売することを企画するのはどうでしょうか。

 あるいは先ほどのシルバーさんが言っていたのは、近くに和菓子さんがあって、そこにまんじゅうが売っているのですけれども、そのまんじゅうを小さくして、2個つなぎ合わせれば繭っぽいから、そういう繭まんじゅうみたいなものが一つあれば売れると思うし、その団体で来た人にもこれがありますと言えるのにな、というご提案ももらって、非常にいろいろ考えていただいているのだなというので、すごくうれしかった思いがあるのですけれども、こういう工夫、休憩スペースであるとかミュージアムショップであるとか、これらについて、新博物館では現状でどうように考えているのかについて伺います。


<答弁>

 休憩スペースとミュージアムショップの充実ということでのご質問かと思いますが、休憩スペースにつきましては、これまでの歴史民俗資料館から比べてかなり広くなりますので、テラス部分も含めて全体の展示の中で、どういった形がいいのかということについては検討していくということになろうかと思います。

 それから、ミュージアムショップ、いわゆるお土産類でしょうか、そういったものの充実ということでございますが、私も博物館等に行くと、どういうものが売っているのかなということは非常に興味があり、お土産に買ってくるというふうなことはよくあるわけでございまして、先日、高崎市にあるかみつけの里博物館というところに行ってきましたけれども、高崎市立の博物館でありますけれども、そこのミュージアムショップを見ますと、結構いろいろなものが独自で製作して販売されておりました。やはりそういった事例等も参考にしながら、ミュージアムショップ等についても今後考えてまいりたいというふうに思っております。


◆再質問◆

 バリアフリーの問題について再質問します。もちろん、現地を見たことがあると思いますけれども、新幹線の本庄早稲田駅の南口に施設はありますが、本庄早稲田駅から行くにしても、建物の東側にある駐車場、もしくは南側の駐車場から行くにしても、なかなか高低差があり行きづらい。バリアフリーの観点からすると、勾配があるのが心配です。新博物館へ行くには、登る必要があるのです。また、南側の駐車場から行くには芝生があって、古い飛び石みたいのがあり、3分の1ぐらい草で埋まっているのですけれども、そういう立地による問題というか、昨年の9月の議会でも<リンク>言いましたけれども、やっぱり博物館というのは誰もが行きやすい、というのが当然です。

 施設自体はもうバリアフリー対応されているということは、最初の答弁で分かりました。エレベーターがあるというのも知っています。知っているので、駐車場から、例えば車椅子の人が車で来て、東側の駐車場からリサーチパークに入ろうと思ったときに、入口の坂は結構苦労すると思うのです。その辺は何か対策を考えているのか、特に考えておらず、あのぐらいの傾斜であれば登って頂くという考えなのか、伺います。

 それと現在、本市の博物館施設というのは点在していまして、新博物館ができた時点で全て数えると、歴史民俗資料館は閉館して減、しかし赤レンガが増えますので、4つになるわけです。その4つの展示施設は、とても離れています。そうすると、全ての展示施設を見たい、という人は、車がないとなかなか回りきることはできません。大人、市内や近隣にお住まいの車を持つ方はいいのですけれども、観光に来た人、レンタカーは借りられますけれども、車を乗ってきていない外国人は困ります。歴史が好きな子供も、困ります。免許を返納した高齢者もそうです。

 本庄市の歴史を学びたい、知りたい、展示施設を全て見て回ろう!と思ったときに、新博物館と赤レンガ倉庫、塙保己一記念館と競進社模範蚕室を車によらずに、どうやって回ったらいいのか、私は悩みます。交通手段、マイカーを持たない人でも回遊できる手段について、やっぱり考えなければいけないと思います。

 以上の2点について、伺います。


<答弁>

 駐車場を現在、東、南にしても、議員ただいまご紹介あったとおり離れておりまして、傾斜もあるということでございまして、このことにつきましては、現在早稲田大学のほうではミュージアムの開館に向けまして、障害者用の駐車場の整備を予定しているというふうに伺っております。

 あと、離れているということの交通の確保ということかと思いますけれども、現状では確かにあそこから児玉のほうに行くのはちょっと難しい点があろうかと思いますけれども、やはり博物館、ミュージアムをやる中で、どうつなぐかというふうなことは、これからの一つの大きな課題というふうに思っておりまして、今後の検討課題というふうにしていただければと思っております。

 現在、市では、交通公共機関とはにぽん号を、デマンド交通を組み合わせる中で、いろんなところに行っていただくというそういう条件整備を整えつつあるところです。いろいろ課題はあるのですけれども、でもなるべく私はこのはにぽん号を使っていただければなというふうに思っていますし、こんな形でめぐれますよみたいな、そういうお知らせをしていくとか、いろんな工夫はあるかなと思っています。当面このはにぽん号をしっかりと、シャトルも含めて多くの方に周知をして利用していただけるような、そういう条件整備をしていくことも、各施設を回っていただくための一つの大きな手段になるかなというふうに思っておりますので、今後とも努めていきたいと思っております。


◆再質問◆

 最後に、これは聞きたいということを幾つか伺おうと思うのですけれども、まず最初の答弁であったように、新しく早稲田大学の持つオセアニアの資料も併せて展示するということです。これは2009年から10年に鶴ヶ島市から寄贈されたもので、早稲田では1,089点持っています。これだけ多く早稲田が引き取ったのです。全部で1,700点あったものが1,089点、鶴ヶ島市というのが埼玉県にありますから、いつか見られる機会もあるだろうということで、多くとったという話を聞きましたけれども、博物館スペースが限られる中で、あるいは唐突に姉妹都市でも何でもないオセアニアの資料がばんと、本庄市の博物館に展示してあって、来館者とすると、「何じゃこれは」というふうになってしまうのではないかという心配をしています。

 私も先日、実際に収蔵品見てきたのですけれども、確かにすごく興味深くて、物としてはおもしろいと思うのですけれども、博物館というのはストーリー性がすごく大事なので、土器があって、いきなりオセアニアの資料があるというのが、何かどういうふうに味つけするのかなというのが気になっているのです。やっぱり唐突に出すというのも変かなというふうに思うのです。

 市長から余り地に足がついていないようなご答弁が先ほどあったのですけれども、やはり、先ほど私がご提案申し上げたように、早稲田大学の特別展示室みたいのがあると、オセアニアの資料があっても変ではないのかなと思うのです。オセアニアの資料をどういうふうに本市で活かしていく考えなのか、伺います。

 次に、学芸員を新たに採用して頂くということで、これは非常にすばらしいことです。前の歴史民俗資料館の館長が定年してから、有資格者が現場にいない状態が続いていたわけです。新博物館をつくる場合の一番多いパターンというのは、新博物館の計画段階から学芸員を採用して、そのまま開館したら常駐学芸員にするというのが多いパターンなのです。

 博物館の学芸員については、市の職員、文化財保護課には今年も2人、新入職員が入りましたけれども、学芸員資格を持った市職員を配置するという考えなのか、専任で新たに募集をかけるのか、あるいは早稲田にお願いして、学芸員資格のある人を送ってもらうとか、そういうふうに考えているのか、あるいはその運営についても、今までは市立だったのですけれども、それを指定管理者にしてしまうとか、今後どういうふうな管理を考えているのか。

 以上、3点について伺います。


<答弁>

 オセアニア民族造形美術品の展示等についてでございますが、まず今回のミュージアムは、早稲田大学の展示スペースと本庄市の展示スペースが分かれておりまして、壁で仕切られるというような形になっておりまして、早稲田大学のほうでは所有しているオセアニア民族造形美術品を展示をしたいというふうなことで現在進めているというふうにお聞きしております。

 このオセアニア民族造形美術品につきましては、世界有数の原住民芸術として知られておりまして、表情豊かな精霊の姿、あるいはパプアニューギニア原住民の精神世界が表現された人類学的にも大変貴重なものであるというふうにお聞きしております。早稲田大学では、所有しておりますこれを展示というふうなことが課題となっておりまして、今回のミュージアムでの展示を予定しているということでございます。

 なかなかこういったものを見ることはできなかったわけでございますが、早稲田大学ならではの魅力的な資料を市民の皆様に身近に見学していただく、そういった機会になればというふうに考えております。また、あわせて、世界の民族文化を見る中で、私たちのこの地域の歴史、文化の魅力を訴求する、そういった機会になればというふうなことで、早稲田大学とは協議をしているところでございます。

 学芸員につきましては、昨年度の市の一般職の採用試験で、埋蔵文化財というくくりの中で2名を採用しております。この方以外にも学芸資格を持った方がおりますので、市職員の中で学芸員資格を持った方を配置していくというふうに考えております。


◆再質問◆

 管理方法についても聞いたので、その辺についてもご答弁お願いします。


<答弁>

 多分館の運営の方法ということなのですけれども、今現在、今後、指定管理者にしていくとか、そういった考えというのは、今すぐにということはないのですけれども、また運営につきましては、今後また検討していきたいというふうに考えております。


●早稲田の杜「マリーゴールドの丘」イルミネーション事業とその是非、及び本市における効果的なイルミネーション事業について

 昨年度11月23日から1月20日まで、早稲田の杜にあるマリーゴールドの丘でイルミネーション事業が行われました。市が主催した初めてのマリーゴールドの丘のイルミネーションであり、今後の市のイルミネーション事業を実りあるものにするためには、当然その効果や対象地について検証する必要があります。本庄市観光振興計画には、イルミネーションを市内各所において展開しますと記されています。しかし、昨年度に引き続き本年度もマリーゴールドの丘がイルミネーションの対象となっています。これらを踏まえ、以下伺ってまいります。

 1つ目として、マリーゴールドの丘イルミネーションを市が主催することになった経緯について伺います。

 2つ目として、市がイルミネーション対象地としてマリーゴールドの丘を選ぶ理由について伺います。

 3つ目として、昨年度のマリーゴールドの丘イルミネーション事業の効果について、どのように検証したのかについて伺います。


<答弁>

 まずは、マリーゴールドの丘公園イルミネーション事業を市が主催することになった経緯についてご説明をいたします。

 マリーゴールドの丘、これは古くから大久保山の前山として地域に親しまれてきた面積約3.5ヘクタール、標高約74メートルの小高い丘で、その丘にマリーゴールドを植栽するようになり、マリーゴールドの丘と認知されるようになった地域のランドマークでございます。この丘の大半は、埋蔵文化財包蔵地となっており、その一部には、埼玉県指定史跡である宥勝寺裏埴輪窯跡が所在することから、全体の地形を現況保存することとなっております。

 また、丘の上は地区を俯瞰する眺望ポイントでもあり、こうした状況を踏まえ、丘の形状を極力変えずにすぐれた原風景を生かしたマリーゴールドの丘公園として、平成23年度から公園整備を進めてきたところでございます。

 このマリーゴールドの丘公園の整備は、基本的な基盤整備が完了したことから、平成29年5月に完成セレモニーを開催し、供用を開始しました。完成後は、この公園が市民の皆様に愛される公園となるよう、さまざまな取り組みを行ってまいりました。

 イルミネーション事業もその取り組みの一つであり、公園名の由来でもある秋のマリーゴールドに加え、春のシバザクラ、夏のアジサイ、そして冬の彩りとしてイルミネーションなどを考え、整備に取り組んでまいりました。

 この公園の魅力は、眺望、散策、花等の鑑賞などでございますので、そういった丘の魅力を最大限に生かすために、四季折々に変化する丘の魅力の演出を考え、地域に親しまれる公園として、また本庄早稲田の杜地区のランドマークとしての整備方針を考えてきたものでございます。

 この整備方針のベースにあるものは、本庄早稲田駅周辺土地区画整理事業を都市再生機構が施行することに先立ち、平成18年度に発足した本庄新都心まちづくり検討会議による個性あるまちづくり計画、これでございます。この計画は、早稲田大学の後藤教授を委員長とし、本庄早稲田の杜地区の整備方針を策定したもので、この中でマリーゴールドの丘の整備についても言及しており、整備の考え方として、現況の風景がすぐれているため、整備に当たっては現況を生かし、市民に親しまれているマリーゴールドの丘を継承するものというふうにしております。

 また、丘の上は、地区を俯瞰する眺望ポイントであり、当時からイルミネーションが実施されていた、あるいはこだま青年会議所によるキャンドルを使ったイベントなど、光のイベントが実施されていたという経緯もあり、イルミネーションに適した形状であると認知されていたことがうかがえます。

 以上がマリーゴールドの丘公園やイルミネーション事業に対する市の考え方でございますが、議員ご質問の市が主催することになった経緯につきまして、これはマリーゴールドの丘公園の冬の彩りとしてイルミネーションを検討していたところ、こだま青年会議所から平成29年度事業としてマリーゴールドの丘公園でイルミネーションを実施したいとの申し入れがあり、協議することになりました。その結果、青年会議所主催のイベントとして大きなツリーと光のトンネルが平成29年11月23日に丘の上に出現することとなったものでございます。

 この平成29年度のこだま青年会議所の主催したイルミネーション事業の事業効果、事業費などを参考に、市において事業内容等を精査した結果、事業を市主催で始めることがまちづくりに有効であると判断し、平成30年度から本庄市が主催するイルミネーション事業を実施する運びとなったものでございます。

 この事業のコンセプトですけれども、「丘からまちへ光が広がり、人に憩いと潤いを」というものです。事業の狙いとしては、マリーゴールドの丘から始めるイルミネーションがまちの光へと広がることで、地域の皆様に地元に対する愛着とまちづくりへの関心をさらに高めていただき、そこから地域の活力やつながりを育むとともに、本市の新たな魅力を創造し、憩いや潤いを実感できる豊かで元気なにぎわいのあるまちづくりへつなげていくこととしております。

 この事業は、市主催で始めましたが、将来的には地域住民や地元企業、団体などが主体となって実施することにより、そこから地域の活力や活性化を生み出すとともに、本庄早稲田の杜地区の新たな魅力を発信し、住民主体の豊かなまちづくりへとつなげてまいりたいと考えております。

 次に、市がイルミネーション対象地としてマリーゴールドの丘を選ぶ理由というご質問についてでございますが、これについてはほかとの比較の中でここを選んだというよりも、ただいまご説明いたしましたこれまでの経緯と事業の狙い、これが大きな理由でございます。この事業を確実に実行することにより、その目標を達成し、本庄早稲田の杜のまちづくりに資するとともに、マリーゴールドの丘公園をより多くの皆様に認知していただき、親しんでいただくことがまちのにぎわいにつながるものと考えているからでございます。

 なお、マリーゴールドの丘の特徴を生かしたイルミネーションは、他の地域にはない個性的なものであることも実施に至った要因の一つであります。さらに、都市計画の観点からもマリーゴールドの丘のあるエリアは、本庄市都市計画マスタープランにおける集約型都市構造の拠点に位置づけられているとともに、本庄市立地適正化計画における居住誘導区域と都市機能誘導区域にも位置づけられており、新しい魅力と活力あるまちの創造を目指す地域として、次代をリードする本庄市のまちづくりの重点エリアであることも実施に至った理由の一つでございます。

 以上のことから今年度も引き続きマリーゴールドの丘において、イルミネーション事業を実施したいと考えているところでございます。

 次に、昨年度のマリーゴールドの丘イルミネーション事業の効果について、どのように検証したのかということでございますが、昨年度の11月23日の点灯式には、約1,300名の来場者が訪れ、スマートフォンなどでイルミネーションを写真や動画におさめて楽しむなど、会場の印象としてはみんな笑顔で大盛況だったと感じております。家族や友人と楽しめてよかったというご意見や、お正月に帰省した孫と一緒に楽しめる場所ができてよかったというご意見もいただいております。

 このことから、確実に計量することは難しいのですが、マリーゴールドの丘公園の認知度や利用度のアップにつながったとともに、地元に対する愛着や関心にもつながったのではないかと考えております。

 また、平成30年度のイルミネーション事業は、本庄市が主催ではございましたが、地域の皆様や地元の団体、周辺企業、店舗など多くの皆様のご協力をいただいております。具体的には、ご協力いただいた団体等のご負担による園路照明や樹木へのイルミネーションの設置、または事業案内のポスティングや当日の受付など、さまざまな形でご協力をいただきました。こうした連携が生まれ、ご協力をいただけたことで、未来へとつながる手がかりを得たものと感じております。

 その他の効果といたしましては、SNS、インターネット、情報紙等で情報が発信されたことで、約2カ月の事業ではありましたが、本市の魅力を内外に発信することにつながり、反響はおおむね良好だったと感じております。今年度の事業展開におきましても、情報発信による認知度や集客力のアップを図られるよう、さらに研究してまいりたいと考えております。

 いずれにいたしましても、あの丘からの眺め、非常にすばらしく気持ちのいい場所であるというふうに考えております。市街地はもちろん、浅間山や赤城山などの眺望も楽しめますし、夜景も趣がございます。このイルミネーション事業は、まちづくりの契機となるものでございまして、本市が誇るビュースポットに一人でも多くの皆様に足を運んでいただきまして、本市の魅力を実感していただきたいと存じますので、議員におかれましてもご理解とご協力を賜りたいと存じます。


◆再質問◆

 先ほど市長から認知度、利用度のアップにつながったという話があったのですけれども、私が今回、大項目に「早稲田の杜」とわざわざつけたのは、実はこの公園の存在を知らないとか、あるいは聞いたことはあるけれども、場所を知らないという市民が意外と多いからです。確かに市の構想としては、マリーゴールドの丘が冬、何も花がないときにイルミネーションをやるのだというのは、すごくいいのだろうなというふうには思うのです。ただ、本庄市として全体的にイルミネーション事業を考える中で、本当にここがよかったのかなというのは、ちょっとそれを考えると、微妙かなという個人的な意見もあります。

 マリーゴールドの丘の付近というのは、道を挟めば商業施設があります。そしてマリーゴールドの丘に行く道というのは、マリーゴールドに行くとか、側道として使う以外に、行く意思のある人しか通らないような道です。

 去年のイルミネーションの際に、すぐ下にある商業施設からマリーゴールドの丘を見ても、あるいは下の大通りから見ても、新幹線の車内から見ても、イルミネーションが見えない。なので、イルミネーションを目的地としている人、行きたいと思っていく人、知っていて行く人しか行けなかった、気づくことができなかった状態があったと思うのです。

 点灯式には1,300人来たという話があって、会場の印象としてはよかったという話なのですけれども、知らなかった人が知られるような工夫というのも必要だと思うのです。下から見ても見えるとか、新幹線の車内から見えれば、知らない人も気づくことができて、行くきっかけになる。

 私も、もちろん去年行って、12月24日というロマンチックな日に、月曜日、振替休日でしたけれども、クリスマスイブに行ったのです。そうしたら、当日は月も出ていて、下の町並みの光もきれいで、上ってみれば、確かにイルミネーションはきれいだなという感はあるのです。しかし、私が行ったのが7時半から8時過ぎで、30分から40分ぐらい滞在したのですが、クリスマスイブ、超ロマンチックな日に、いたのがたった1組でした。我々以外に1組で、両親と子供が遊んでいました。ほかの日に行った人に私、聞いてみましたけれども、25日も同様で、それ以外の日も、来場者は大体そんなもの、1組、2組ぐらいだということです。

 なので、イルミネーションの場所としてマリーゴールドの丘が効果的なのか、という検証が必要なのではないかと思うのです。確かに点灯式に1,300人来て、楽しかったとかSNSで反響がよかったというのもあるのでしょう。

 ITの時代ですから、例えばQRコードを現地に張っておいて、アンケートを入れてくださいとか、そういう、お金も人の手の欠けない工夫によって来場者の反響を知るやり方というのが、色々あると思うのです。

 点灯式に来た人とか、投稿してくれた人の意見だけを聞くのではなく、もっといろいろな場面でいえおいろな人が意見を言う場所とか、そういうものがあっていいのではないか。

 知らなかった人からすれば、もっとPRしてほしかった、という意見もあるかもしれない。市民のニーズを反映できるような機会をつくってあげるということが大事なのかなというふうに思うのですけれども、この点について伺います。


<答弁>

 ご指摘一々しっかり受けとめたいなというふうに思っています。1つ、イルミネーション事業をやりましょう、さてどこがいいでしょうか、ここにしましたということではないのです。あのマリーゴールドのイルミネーション事業は。観光振興計画でイルミネーション事業というのはうたっておりますけれども、それ以前から、あそこは冬どうしようかという中で出てきた中で、イルミネーション事業というのが出て、それでやったというそういう経緯があるので、全体を見渡した中でここがいいですね、だからイルミネーションをここでやりましょうというのでは、ちょっとそのスタートが違っているというか、まさにあそこの丘の認知度がまだまだ低い。行ってみると、皆さんいいところだねと言っていただけるのだけれども、まだまだ低い部分において、どうやったら認知度を高めていくことができるかという中で、いろいろと検討した結果、青年会議所があそこでキャンドルのイベントをやっていただいたりだとか、そういった経緯もあるので、イルミネーションをという中で、今度は青年会議所がやっていただいた。それを市が受けて始めて、できれば今後もっともっと民間の方々も含めて、あそこで事業を展開していってもらいたいなと、まさに先ほどおっしゃったように、下のほうから見えるためには、もっともっとイルミネーションが展開されれば、あそこで何やっているのだろうと、見えるようになってくると思うのです。後になって知ったというご意見もそうですし、知っていたら行ったのにという、これは実は期待のご意見なのであって、それはしっかり受けとめたいというふうに思います。無関心が一番よくないので、わかっていたら行ったのにと、これは期待のご意見ですから、これはしっかり受けとめて、また皆さん方の意見を反映させながら、あの丘をどうやってPRし、認知を高め、そして皆さん方に親しんでいただける丘にしていくか、こういう観点から今年度もまた頑張っていきたいなと思っておりますので、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。