①歴史と教育のまち本庄実現に不可欠な文化の拠点としての歴史博物館整備の必要性について②企業の成長・誘致に向けたエネルギー政策について(2018年第2回定例会・一般質問)

●「歴史と教育のまち本庄」実現に不可欠な、文化の拠点としての歴史博物館整備の必要性について

 本庄市総合振興計画では、「あなたと活かす みんなで育む 歴史と教育のまち 本庄 ~世のため、後のため~」という目標が10年後を見据えた将来像として、また前期基本計画の中にも文化財を学校教育の場、生涯学習の場、地域の活性化や本市のPRに活用していくことが目指す姿として掲げられています。

 しかしながら、市民が歴史について深く学び、観光客が歴史について広く知る歴史の拠点である博物館が、本市は十分に機能していないため、現状では歴史と文化が薫るまちとして、胸を張って市内外にPRできません。歴史と教育のまち本庄と市内外へ胸を張ってPRできるよう、文化財を展示するだけの施設ではなく、本庄の歴史を中心とした文化の拠点としての歴史博物館を整備することが必要不可欠であるという観点から、市の考えを伺ってまいります。

 1つ目として、本市にある文化財展示施設の現状を伺います。歴史民俗資料館、塙保己一記念館、競進社模範蚕室について、それぞれ簡潔にお答えください。

 2つ目として、正規、非正規、常勤、非常勤、学芸員資格保有の有無を明らかにした常駐職員数について、今現在の状況、また合併以後の企画展示実施の回数、常設展示を入れかえた回数、年報・研究紀要発行の有無とその冊数、所蔵資料の他館への貸し出し、借り入れを館単位でお答えください。


<答弁>

 本市における文化財展示施設の現状についてご説明をいたします。本市には、文化財の展示施設として市の歴史を総合的に紹介する歴史民俗資料館と、盲目の国学者、塙保己一の遺品及び資料を展示する塙保己一記念館、そして明治期に養蚕の改良と普及に多大な貢献をした養蚕改良家である木村九蔵が設計、建築した競進社模範蚕室の3館がございます。以降、それぞれを資料館、記念館、競進社と呼ばせていただきます。それでは、合併以降の3館の現状についてご説明いたします。

 初めに、資料館でございますが、旧本庄警察署を昭和55年から資料館として活用を開始した施設でございます。火曜日から土曜日までは臨時職員が2名常駐しております。いずれも学芸員資格のない職員でございますが、長年文化財行政に携わり、郷土の歴史に精通した職員を配置しております。なお、日曜日につきましてはシルバー人材センターに管理業務を委託しております。企画展につきましては、資料館を会場としておりませんが、平成26年度から平成29年度まで本庄早稲田の杜地域連携展覧会として、早稲田リサーチパーク・コミュニケーションセンターを会場に特別展示を企画するなど、市内で出土した文化財の公開、活用に努めるとともに、関連する講座などを開催しているところでございます。常設展示の入れかえにつきましては、例えば平成24年度に本庄東中学校の校舎建設に伴う発掘調査において、日本で初めて完全な形で出土したガラス小玉鋳型のように新たに収蔵された文化財があった場合や他館への貸し出しを伴うものなど、不定期ではございますが、平均して年1回程度実施しております。博物館等が研究成果を発表するために作成する紀要につきましては、平成19年度に第4号を発行しております。所蔵資料の他館への貸し出しにつきましては、15の展覧会に対して行っております。他館からの借り入れ資料はございません。

 次に、記念館でございますが、昭和43年に雉岡城跡公園内に開館いたしまして、その後平成27年7月にアスピアこだま内にリニューアルオープンした施設でございます。資料館と同様に、火曜日から土曜日までは臨時職員が2名常駐しております。いずれも学芸員資格のない職員でございますが、長年文化財行政に携わり、郷土の歴史に精通した職員を配置しております。日曜日につきましては、シルバー人材センターに管理業務を委託しております。企画展につきましては、平成29年度に記念館の変遷を写真で振り返るパネル展を開催いたしました。常設展示の入れかえにつきましては、平成18年度に説明パネルを新設するなどの展示がえを行ったほか、リニューアルオープン時に新たに常設展示を設置したところでございます。紀要につきましては、発行しておりません。所蔵資料の他館への貸し出しにつきましては、2つの展覧会に対して行っております。他館からの借り入れにつきましては、ゆかりの品を温故学会や市内の実相寺から借りております。

 次に、競進社は平成19年度から第1、第3日曜日の一般公開を開始し、その後富岡製糸場と絹産業遺産群が世界文化遺産に登録され、競進社が関連の深い施設として注目を集めたことから、平成26年7月以降、月曜日を除く毎日の開館といたしました。管理業務は、シルバー人材センターに委託しております。なお、団体での見学申し込みがあった場合につきましてはボランティアガイドが展示解説を行っており、好評をいただいております。企画展につきましては、平成24年度に「明治期の蚕書に見る蚕室」と題したミニ企画展を、平成25年度には「近代養蚕業を支えた偉人たち」と題して、競進社や高山社ゆかりの人物紹介をするミニ企画展を開催しております。常設展示の入れかえにつきましては、平成19年度に説明パネルの設置をするなど展示がえを行ったほか、平成22年度には競進社の養蚕に関する内容の充実を図り、平成24年度にはこれまで3つに分かれていた展示室を一体として活用する現在の形に改めました。平成27年度には内容をさらに充実させるため、展示台や展示パネルを新設し、現在に至っております。紀要につきましては、発行しておりません。競進社につきましては、他館への貸し出しについてはございません。また、他館からの借り入れ資料についてもございません。


◆再質問◆

 3館とも学芸員はいない、臨時の職員が2人いるというふうなご答弁でした。

 文化庁が昭和52年に出した市町村立歴史民俗資料館の設置・運営のあり方によると、職員を常駐させるなど資料の保存、活用、学習活動などが適切かつ円滑に行われるよう管理体制を確立するという記述もあります。例えば人口が本市と同じ規模の行田市にある郷土博物館は、4名の学芸員が常駐しております。お話を聞いたところ、4人いても博物館を運営するには非常にぎりぎりの状態だという話でした。ところが、本市は臨時の職員が2人いるのみで、学芸員は一人もいないという状況でございますけれども、なぜ本市はいないのかについてお聞かせ願えればと思います。

 また、正規でなくとも、例えば「休眠学芸員」と言われる、資格を持っていても使っていない人を探して非常勤で雇うという方法もあると思うのですが、その努力はされたのかについてもあわせてお答えください。


<答弁>

 行田市の博物館に学芸員が4名いて、本庄市になぜいないのかということでございます。本庄市は、博物館に類似する施設ということでやっているわけなのですが、行田市の博物館については正式な博物館として登録をされております。先ほど説明いたしました本庄市の資料館、それから記念館、そして競進社、こちらにつきましては独立した機関として設置しているということでなくて、文化財保護課が所管する施設としてなっております。ですから、歴史民俗資料館長については文化財保護課長を兼ねるというような形になっております。

 本市の学芸員の状況なのですが、文化財保護課のほうには数名学芸員がおりまして、発掘等の現場に当たっているという状況もございます。こちらにつきましては、やはり本市の規模で、先ほど言いましたように独立した博物館として大きく運営しているという現状ではございませんので、そこになかなか学芸員を常に雇用して設置をするというのは、全体の職員の構成等を考えた場合に、非常に難しい状況があるというふうに申し上げざるを得ないのかなというふうに思っております。

 また、学芸員資格の確保について努力しているのかということですが、これにつきましては施設へ張りつける職員ということでなくて、市としてやはりそういった専門知識を持った職員を確保すること、これが本庄市の文化財をきちんと整理保存、そして将来につないでいくということの観点から見ると必要であろうということで、今努力をしているところではございますが、これ全国的に考古関係、博物館関係の学芸員資格の方が不足しているといいますか、ちょうど一時期どこの地域も大きな発掘関係があって、非常に大量にというか、それに足りるだけの資格を持った職員等を雇った時期がございまして、そうしますとその職員がいる間は、当然なかなか次の学芸員を採用するというのも難しい状況にあろうかと思います。これ全国的に同じなのですが、そういった職員がここに来て大量にちょうど退職する時期に来ておりますので、数年前からどこでも学芸員資格を持つとか、その資格を持たなくてもそういった考古関係に詳しい職員の採用というのに力を入れているところですが、なかなか状況としては、全国的に人材が不足しているという状況があるのが現状でございます。

 そのような状況の中で運営していますことから、施設のほうには確かに学芸員資格は今おりませんが、先ほども答弁させていただきましたとおり、長く文化財行政に携わった職員を配置しております。学芸員資格を持っているというのも一つの、それは資格があるということで非常に大切なことではありますけれども、本庄市の歴史を紹介するそれぞれの施設でございますので、本庄市の歴史を一番よく今知っている人が塙保己一記念館、それから歴史民俗資料館にいるということで、非常にその説明についても好評をいただいているところでございます。また、競進社につきましてもシルバー人材センターのほうにお願いしておりますが、そのシルバー人材センターの職員についても研修を行ったり、それでその職員さんもみずからいろいろ研究していただいて説明に当たっていただいているということで、人材的には十分説明するに足りる人材が今配置されているというふうに認識しております。

 なお、今後のことを考えますと、学芸員の資格を持った職員については、一時期に大量の職員が要るということでなく、年代構成を上手く採用できるような形で維持できたらというふうに考えておりますので、ご理解いただきますようお願いいたします。


◆再質問◆

 行田市の博物館は登録博物館だとご答弁頂きました。

 本市の3つある展示施設、こちらを博物館法上の登録博物館と、あるいは博物館相当施設としない理由、また市の条例で定められているものが塙保己一記念館だけ別になっている理由、そして文化財施設の役割を本庄市としてどうやって考えているかということについてお伺いいたします。


<答弁>

 本市のいろいろ文化財の展示施設がございますが、それを博物館相当施設にしない理由ということにつきましては、博物館相当施設になりますと、要件として先ほどの学芸員の問題が出てくると思います。その配置がされていないことにより、現在そのような扱いにしていないという現状がございます。

 そしてまた、市条例で記念館のみが別であるという理由でございますが、本庄市塙保己一記念館の設置及び管理に関する条例は、合併前の旧児玉町が設置していた条例を基本的には引き継いでいるもので、設置目的を塙保己一の思想と偉業を顕彰し、かつ郷土愛の高揚を図り、もって遺品等、歴史資料の展示及び保存管理を行うとともに、住民の福祉を増進することとしております。

 また、一方で歴史民俗資料館等につきましては、本庄市文化財施設設置及び管理に関する条例において規定しておりますが、施設の設立の目的は、郷土についての歴史資料、考古資料、民俗資料、行政資料及び各種資料の収集、保管、調査及び研究を行うとともに、これらの資料の活用を図り、教育、学術及び文化の発展に寄与するためとなってございまして、設立目的が異なる。特に塙保己一記念館は塙保己一に特化した人物を、偉業を顕彰するというような意味合いもございますので、そういったことから設立目的が異なるということで、統一をせずに現在に至っている状況でございます。

 次に、文化財関連施設の役割についてでございますが、これにつきましては郷土の資料に直接触れ学ぶことができる郷土学習の拠点である、そういったこととともに本市の魅力的な文化財、歴史を内外に向けて情報発信する場であると考えております。


◆再質問◆

 文化財展示施設に訪れる人に対する考え方について伺ってまいります。

 文化財展示施設3館あるとご紹介あったところですけれども、3館の所在地はバラバラ、分散しているので、見学者は移動しなければ全館見ることができない状態です。

 例えば市内小学生が校外学習として訪れるのは、通っている学校の近くにある文化財展示施設に行くということなのですけれども、行った館の資料しか見られない、という現状があります。本市の歴史、魅力を効果的に発信する拠点が分散している現状について、どのように考えているのかについてお伺いいたします。

 また、建物も含めて展示と関連している競進社とは異なって、本庄市歴史民俗資料館は県指定文化財である旧本庄警察署を利用しなければならない理由は今日ありません。夏は暑い、ハチが館内に入る、冬は寒い、階段が多くて段差も急である。エレベーターもない、言ってみればバリアばかりの施設で、来館者が安心して文化財を見学できる環境にはありません。このことから、市はどうしてこのような施設を、どんな判断をして資料館として活用しているのかについて伺います。


<答弁>

 本市の文化財施設が分散して設置されていると、それはどのようなものなのかということでございます。確かに議員ご指摘のとおり、本市の文化財施設の立地場所は全て分かれておりますが、ただそれぞれの文化財展示施設は、それぞれの場所、立地を含めまして明確な展示主題を持って公開しているところでございます。例えば出ました歴史民俗資料館でございますが、現在も明治16年の建造当時の位置にございまして、長く地域に親しまれ、守られてきた建物でございます。非常にこの辺で中山道をめぐる歴史家にも立ち寄られている施設でございますが、こちらにつきましては昭和55年に現在のような展示施設として開館したわけですけれども、当時こういった歴史的な建造物を活用して、地域のさまざまな文化財を展示するというような流れがございました。それで、こういった流れの中で国庫補助事業として文化庁の指導を受けながら、現在のように展示施設として改修した経緯がございます。

 また、塙保己一記念館でございますが、やはりこの施設につきましては塙保己一の偉業を後世に伝えるための施設でございまして、これは塙保己一生誕の地である児玉地域に置かれるということが重要であるというふうに考えております。特に周辺に関連の文化財もございますので、こちらの文化財とあわせて地域の歴史を発信していくということで位置づけをしております。

 また、競進社につきましては昭和56年に解体修理を行った際に、保存のために移築はされてはいるのですが、現在もかつての競進社の跡地の近くにございまして、養蚕の技術改良に生涯をささげた木村九蔵を理想とした多くの養蚕家が、日本各地から学びに訪れた養蚕の姿を今に伝えているということもございまして、やはりそれぞれの、そこにあってその空気を感じていただきながら、かつての郷土の古い歴史を感じていただければというふうに思っているところでございます。


◆再質問◆

 最初に述べたように、市としては総合振興計画にも書いてあるとおり、「歴史と教育のまち」として、内外にPRして頑張っていく、ということですけれども、現状は先ほどまで私が述べてきた通り、各館の展示の課題、3館についてどういう問題点があって、それをどういうふうに入館者をふやすために取り組みを今後やっていくつもりなのかについて、最後に市の考えを伺います。


<答弁>

 それぞれの文化財施設の抱える問題点ということの質問かと思います。本市の文化財の展示施設、塙保己一記念館につきましては新しくなったのですが、全体といたしまして建物の構造、利便性、先ほども言いましたようにそれ自体が文化財で、それを活用したということ等もありまして、ハード面につきましては議員ご指摘のように、必ずしも理想的とは言えない面もございます。

 最も大きな課題といたしましては、資料館を初めとする文化財展示施設の存在、それから活用までは、広く皆さんに知っていただいて、利用してもらうということが必要なのではないかなというふうに考えているところでございます。そのために、広く広報、PRを行いまして、あわせて文化財展示施設にかかわる人材、これはやっぱり文化財の維持、それからその魅力を発信していくために必要でございますので、そういった人材の育成にも力を入れていくことが重要であるというふうに考えております。

 それと、入館者をふやすための取り組みということでございますが、これまでに資料館につきましては県内の他館と共同いたしまして、博物館等をめぐるスタンプラリーを開催しましたり、また記念館については埼玉三偉人であります熊谷市の荻野吟子、それから深谷市の渋沢栄一との連携をしてPRの取り組み、それで競進社につきましては世界遺産である富岡製糸場、それから絹産業遺産群、これらと連携して広報して、やはり本庄市内はもちろん、広く全国的にPRをして多くの人に来ていただきたいというふうにPRをしてきたところでございます。

 また、今後の入館者をふやすための取り組みといたしましては、これまでの取り組みを継続するとともに、ワークショップですとか、例えばやっぱり発掘現場の見学会を開催するとかということで、文化財に親しみを持っていただくような事業の充実を図ってまいりたいと考えております。今後とも他の団体等とも連携しながら、周知活動には力を入れてまいりたいと思いますので、ご理解を賜りたいと存じます。


●企業の成長・誘致に向けたエネルギー政策について

 企業の誘致、あるいは本市に拠点を持つ企業の成長は、本市にとって大変重要であります。多くの自治体が企業誘致を目指しており、新たな企業を本市へ呼ぶため、あるいは本市からの移転を防ぐためには、本市の特性、強みを生かした計画を立て、戦略的に宣伝する必要があります。

 今回は、エネルギー政策を通じて企業誘致を促進していくべきだという観点から伺ってまいります。RE100の取り組みや、現在見直し中のエネルギー基本計画の中でも再生可能エネルギーが主力電源と位置づけられた今日の状況から明らかなように、ますます再生可能エネルギーの重要性が高まっています。

 そこで、伺います。本市に立地する企業が再生可能エネルギーを設置した場合の補助等について、現在ある制度はどのようなものか、利用した企業にとってメリットがあるかないかも含めてお答えください。

 また、先日閣議決定された第5次環境基本計画では、再生可能エネルギーを各地で利用し、経済活性化や持続可能な地域づくりを推進することが掲げられ、既に山梨県では県内水力発電所の発電電力を活用して、県内の企業に低価格の電気料金で電力を供給するブランドやまなしパワーの運営が始まっています。

 そこで、太陽光発電設備が一定の規模で存在している本市が、本庄市で発電された電気を本庄市産の電気として企業に販売することは企業誘致のアピールポイントにもなると考え提案いたしますが、これに対する市の考えを伺います。


<答弁>

 再生可能エネルギーの導入を考えている企業への支援策についてご説明させていただきます。まず、本市のエネルギー政策に関しましては、平成20年に行った環境宣言に基づき、本市の目指す地球環境にやさしいまちの取り組みの一環として、地球温暖化防止対策となる温室効果ガスの排出抑制のため、日常生活や事業活動のあり方を見直すことで、エネルギーの使用量を抑える省エネを全国に普及させていくことを進めております。

 また、再生可能エネルギーを活用した創エネとして、住宅や事業所の再生可能エネルギーの設備の導入もあわせて推進しております。このうち事業所向けの事業をご説明いたしますと、本庄市事業所用エネルギーシステム導入事業補助事業がございます。市が目指す地球環境にやさしいまちに即した事業を事業者が取り組む際に支援をするものでございます。

 この事業の概要といたしましては、市内の事業所またはこれから市内に事業所をつくる場合に、その事業所で消費するエネルギーを賄うために設置する太陽光発電や風力発電といった、いわゆる再生可能エネルギーシステム、あるいは地中熱や太陽熱を利用する熱利用システム等を設置する場合や、専門家の省エネ診断を受けて取り組む設備の入れかえ、例えば照明設備のLED化や空調設備を省エネタイプに更新する場合等に補助の対象となるものでございます。上限はございますが、補助対象経費の6分の1まで補助をいたしております。また、同時にエネルギーを管理するシステムを導入する場合に、このエネルギー管理システムに対してやはり上限はございますが、補助対象経費の6分の1の補助を行っております。この補助事業は平成24年度から開始し、これまで6年間で24の事業者に利用していただいており、今後もより多くの事業者の取り組みを支援できればというふうに考えているところでございます。

 この補助事業の周知につきましては、広報やホームページはもちろんのこと、児玉工業団地の意見交換会や本庄商工会議所など、事業者の方へ情報が伝わりやすいところへ伺って事業の説明をさせていただいているところでございます。また、融資を受けて再生可能エネルギー等を設置することも考えられますことから、市内の銀行等へも事業の説明をさせていただきながら、資料配布のお願いとご協力を仰いでいるところでございます。

 次に、市内でつくられた再生可能エネルギーを企業へ販売することにつきまして、議員のご指摘の山梨県の事業をご説明させていただければと思います。これは、山梨県が東京電力エナジーパートナーと共同し、山梨県内の水力発電で発電した電力の売電益を活用して、価格を抑えた電力をやまなしパワーと称し、東京電力エナジーパートナーが3年間供給するというものだそうでございます。やまなしパワーは、山梨県の企業局が運営する20カ所以上の水力発電で発電する年間約4億7,000万キロワットアワーの電力を東京電力エナジーパートナーへ売電し、その売電分を標準的な単価より約3%から6%価格を安くして、山梨県が掲げる要件に合致する中小企業に対して東京電力エナジーパートナーから電力供給をするということでございます。参考までに、約4億7,000万キロワットアワーという電力量は、一般的な家庭1世帯当たりの年間消費量が3,600キロワットアワーと仮定した場合、約13万世帯分ということでございます。

 このように、山梨県につきましては県内に存在する発電施設を利用し、事業展開しているところではありますが、本市で運営をしています発電は、市内3カ所に設置をしている追尾式発電システムであり、その電力量は年間約7万7,000キロワットアワーでございます。山梨県同様の事業を行うには、市が運営している発電所だけでは電力量が少なく事業化が難しいため、市内で民間事業者が発電している再生可能エネルギーで賄えるかを検証する必要がございます。あくまで民間業者が行っている発電事業でございますので、どの程度の協力が得られるか、また電力の安定確保や発電設備の耐久性の確認なども課題でございます。これらを踏まえますと、本庄市産の電気の販売につきましては、現状では難しいものと考えておりますので、ご理解をいただきたいと存じます。

 市の再生可能エネルギーの普及の取り組みにつきましては、地球温暖化対策への対応となっていることもあり、現状では企業の成長、誘致の目的での対応については限界があるところでございます。いわゆるPPSと呼ばれる新電力会社もふえ、資源エネルギー庁が公開している電力の登録小売事業者数一覧を見ますと、平成30年5月22日現在、全国で478事業者にもなっているということでございます。また、経済産業省が見直し中の、エネルギー基本計画の中で課題はあるものの、再生可能エネルギーを主力化すると表記が見られることなどから、電力自由化の動きは今後も活発化していくものと考えられますので、議員ご提案の企業の成長、誘致に対します取り組みにつきましては、将来の新たな展開を期待し、今後調査研究をしてまいりたいと思いますので、ご理解、ご協力をお願いいたします。


◆再質問◆

 確かに山梨は「県」単位なので、電力量が確保できる、だからできるのだというご理解をご答弁頂きましたが、最近、自治体電力というのは増加しています。

 福岡県では「みやまスマートエネルギー」であるとか、奈良県の生駒市では「いこま市民パワー」ですとか、所沢市の「ところざわ未来電力」であるとか、市単位でやっている事例もあります。

 もちろん、太陽光発電のみではなく、ごみ処理場の発電設備を使ったりしています。

 本庄市に点在する太陽光発電設備から生み出される電気を買い取って、市内の事業者や市民に対して売る、というようなことを、県北で先駆けて実施する、今やればかなり早い段階で実施することになると思うのですけれども、そういった検討は今後されていくのかどうかについてお伺いいたします。


<答弁>

 確かに各自治体のほうで電力事業をしているというところではありますが、現状を考えますと、いろいろやり方等もみんな違っていて、企業誘致とか、そういったものに当てている電力もあるかもしれませんけれども、主には収入の増というようなことが考えられるのかなというふうには思います。やはり先ほども言いましたが、現状市の補助制度につきましては温暖化対策補助事業制度でございますので、これらにつきまして社会情勢の変化等、再生可能エネルギーも今後もっと普及する可能性がありますので、そういった状況を注視しながら、今後とも調査研究をしていきたいと思いますので、ご理解を賜りたいと思います。

うちだ えいすけ 【本庄市議会議員 内田 英亮】/Official Website

美しい、本庄へ。あなたと うちだ えいすけ の、愛あるまちづくり -本庄市議会議員・内田 英亮のオフィシャルウェブサイト-